三輪の初えびす。
最終日の残り福に授かるため、三輪坐恵比須神社を訪れました。
コロナ禍も一段落し、恒例の湯立神楽が奉納されるとあって境内は賑わっていました。
鯛引き行列のタイと笹の葉。
一連の湯立神事が終了し、巫女さんが手にしていた笹の葉を頂戴しました。この笹の葉を持ち帰り、一年の無病息災を祈願します。
御湯を撒き散らす吉兆笹!ご利益ある振舞い湯
湯立神事では大きな釜に湯を沸かし、その湯を使って吉凶を占います。
日本古来の神楽の一つで、無病息災や五穀豊穣を願います。三輪の初えびすにおいては、毎年最終日の2月7日の14時に行われます。
巫女が舞う湯立神楽。
熱い釜湯が四方に撒かれます!この有難い御湯をかぶるため、最前列を確保する人も多いことでしょう。実際のところ、少々後ろの方でも十分にお湯が飛んできました(笑)
吉兆笹と「三つ蔓柏」の御神紋。
拝殿に掲げた笹の葉に、今年の平穏無事を祈ります。
湯立神事はご神職のお祓いから始まります。
四方に結界が張られ、8つの釜からは湯気が立ち昇ります。場が清められ、いよいよ湯立巫女の登場を待ちます。手前に写っている赤いものは、鯛引き行列に使われたタイの尾っぽです。
湯立巫女。
神前で行われる儀式だけに、厳粛な空気が流れます。託宣を受ける巫女に汚れがあってはなりませんからね。見物人たちも各々、背筋が伸びる思いです。
湯立の釜自体も、きっと神聖なものなのでしょう。
この後、巫女さんの手で塩や米、酒が釜湯の中に注ぎ入れられます。神事が終わると、釜湯が見物人に振舞われます。紙コップで頂きましたが、ちょうどいい味加減でした。
大黒さんとえべっさん。
大国主と恵比須は親子関係にあります。見ているだけで幸せになれそうな七福神。日本人に生まれて良かったと思えてきますね。
笹の葉で撒く前の “地ならし” でしょうか。
前方に少しだけぴゅっ、ピュッと御湯が撒かれます。湯立巫女の一挙手一投足に注目が集まり、息を吞むような時間が流れます。
いよいよ湯が撒かれます。
社務所前に三宝が3つ並んでいますね。おそらく左から塩、米、酒が奉納されているのでしょう。
湯立神楽にはリズムがあります。
神事の進行に合わせ、拝殿の中の太鼓が鳴ります。この太鼓の音が躍動感を生み出します!
一連の舞いが終了しました。
託宣を受ける瞬間でしょうか・・・想像の域を出ませんが、巫女さんの表情に一仕事終えた安堵感がにじみます。こうして見ると、扇状に広がる笹はボリュームがありますね。なるべく多くの人に御湯が行き渡るよう、工夫が凝らされているのでしょう。
笹の葉は柏葉などに比べ、明らかに表面積が広いですからね。お湯を絡め取って遠くに飛ばすにはうってつけです。
神事の後の釜湯。
白い物体はお米です。この御湯が結構美味しいんですよね。湯立神楽が終わったら、必ず頂くようにしましょう。残り福の味は格別です。
笹の葉を持ち帰ったのは、今年が初めてです。
持ち帰る風習はあったのでしょうが、今回初めて知ることになりました。
今年は久しぶりに露天商の独楽も購入し、三輪の初えびすを存分に満喫しました。残念ながら恒例のごくまきは、長引くコロナ禍により中止の運びとなりました。元タカラジェンヌの歌も懐かしいですね。本格的な復興はまだ少し先かもしれませんが、少しずつ歩みを進めて参りましょう。
大正楼中庭と笹の葉。
世の中が豊かになり、五穀豊穣を心底祈念する気持ちが薄らいでいるように思えます。人が生活していく上で、最も根源的な願いだと思います。感謝の気持ちを忘れず、今年も一年過ごしていきたいと思います(^O^)