陶器風呂!大神神社のデザインタイル

モザイクタイルアートのお風呂。

三輪山にどっぷり浸かることのできる浴室が完成しました。2桶の浴槽はいずれも信楽焼製で、丹精込めた手捻りです。シャワーブースにはオーバーヘッドシャワーを採用し、インバウンドも意識した造りになっています。

信楽焼製陶器風呂

信楽焼の陶器風呂。

ステンドグラス風に仕立てた銅板照明を両側に添えます。お湯を張ると、表面に灯りが映り込みます。天井近くにはタイルアートを照らす浴室灯も取り付けました。

大正楼浴室の写真
浴室の改装事業。 2020年と2021年の2年連続で行った浴室のリフォーム工事。この度、プロカメラマンにお越し頂き、改めて新しくなったお風呂の写真を撮影して頂きました。 大正楼の信楽焼浴槽。 三輪山のタイルアートが浴室全体を包み込みます。
香り高い大正楼桧風呂!リラックス浴室
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三輪山を物語るタイル絵!大神神社参拝の余韻に浸る

大神神社参詣のお客様が多い大正楼。

山の辺の道ウォーキングや長谷寺参詣、古墳探索などで訪れる人も多いですが、やはり大神神社参拝でご宿泊頂くお客様が大半です。そこで、浴室のタイル絵画には三輪山を描こうと決めていました。

三輪山モザイクタイルアート

三輪山を背景に三ツ鳥居を中心に据えます。

ササユリやなでうさぎ、夫婦岩、蛇神様、おだまき杉、箸墓古墳、二上山なども配し、”神奈備・三輪山”ゆかりのモチーフを散りばめます。

信楽焼製陶器風呂

陶器浴槽をほのかに照らす銅板の照明。

向かって左側のデザインが「風に桜」、右側は「波に千鳥」となっています。流れるようなデザインは、浴槽の波形紋様とも相まって癒しの空間を演出します。

大神神社デザインタイル

タイルアートを囲う緑色の外枠には、大小の波紋が描かれます。

同心円状に広がる波紋を見ていると、なんだか心が穏やかになります。

大神神社は酒の神様でもありますが、酒を醸すには清らかな水が必要です。山の辺の道沿いには、大神神社の末社として貴船神社が祀られており、水とのつながりを感じずにはいられません。そう言えば、生物の進化は水中から始まっています。人は誰しも、そのDNAの中に”水の動き”を感じているのかもしれませんね。

三ツ鳥居の浴室アートタイル

三ツ鳥居のタイル絵。

「古来一社の神秘なり」と伝わる三輪鳥居です。

陶器風呂入口

浴室の入口にも銅板照明を付けて頂きました。

大正楼のロゴである「正」の字の横に杉の葉を添え、裏側に和紙を貼り付けます。色鮮やかな灯りが廊下を照らし、とてもいい雰囲気を醸します。

信楽焼製洗面ボウル

信楽焼製の手洗い鉢

脱衣場の洗面ボウルにも工夫を凝らしてみました。

大小二つの浴槽に対比するように、二色の手洗い鉢が並びます。向かって右側が女性、左側に男性をイメージしています。このすぐ右手には、物入れにもなるトールキャビネットがあります。

陶器風呂の浴室入口

浴室の引戸は以前のものを残しました。

昭和型板ガラスの引戸を開けると、枡形虎口のような空間が現れ”目隠し”の役目を担います。

おだまき杉・波紋デザインタイル

余談ではありますが、ポテトチップスで知られる湖池屋はまさしくこの”波紋に由来”しています。

湖や池に小石を投げると、水面に波紋が広がりますよね。波紋のごとく会社が繁栄しますようにとの願いが込められているようです。

陶器風呂の脱衣場

陶器風呂の脱衣場。

脱衣場の床は、畳風のCFシートで仕上げています。水回りの床材によく使われ、クッション性の高い優れものです。

脱衣場の信楽焼製洗面ボウル

洗面台の壁材にも桜がデザインされています。

外国人観光客に”和”を感じて頂くには、やはり桜が最も適しているのではないでしょうか。もちろん、桜の名所である「大美和の杜展望台」も意識しています。大神神社の結婚式でお泊り頂く新郎新婦様、並びにご親族の方々に向けた改装事業でもあります。2つの陶器浴槽を揃えたのも、大きなポイントの一つです。

桜の浴室照明

風に桜。

巨大タイルアートの右下を飾るのは、大正楼のロゴ「正」ですね。

四角いタイルで滑らかな曲線を表現するには限界があり、これもまたご愛嬌。それっぽくは見えますので、どうぞご容赦下さい(^.^)

シャワー用パーティションとオーバーヘッドシャワー

シャワー用パーティションの向こうに、オーバーヘッドシャワーを取り付けます。

私たち日本人は、毎日お風呂に入る習慣があります。ところが、外国人のお客様の中には浴槽に入らない方も多くいらっしゃいます。そんな方々に是非お使い頂きたいと思っています。

オーバーヘッドシャワー

オーバーヘッドシャワーと浴室内暖房機。

奈良県の冬は底冷えがします。寒い寒いと言われる京都よりも、毎年1~2℃低くなるのが奈良盆地です。観光シーズンの春秋や夏は関係ありませんが、真冬ともなると浴室内を暖める必要が生じてきます。国産桧風呂の方は面積も狭く、まだそんなに寒くはありません。一方の陶器風呂は面積が広くなりますので、浴室内を暖める設備が必要になります。

浴室の壁や天井には、保温性の高いバスパネルを使用しています。以前よりも保温効果は間違いなく高まりました。

さらに浴室内の床材には”あんからプラス”を用い、衝撃吸収性を高めています。

信楽焼製陶器風呂

お湯の表面に映り込むのがいいですね。

桧風呂とはまた違った趣の陶磁器。

陶器独特の釉薬の艶(つや)が、伝統の技を感じさせます。

巳さんモザイクタイル

記紀に伝わる三輪山神話。

大物主とは一体何者なのか?目には定かに見えねども、得体の知れないパワーを秘めた存在であることに違いはないでしょう。

物事の「物」や「事」は抽象的であり、はっきりとしていません。判然としない「もの」という音の響き・・・大ヒットしたアニメ『もののけ姫』の”物の怪”にも表れていますね。雷神であり蛇神であり、太陽神でもある三輪の神。様々に言い伝えられ、今に至る三輪山をいつも身近に感じていたいと思います。

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