初市大祭!御湯の神事@恵比須神社

今年も催された三輪の初えびす。

最終日の2月7日、残り福を求めて境内に足を向けました。

午後2時に湯立神楽、3時には景気太鼓、そして4時からはクライマックスの御供撒きへと続きます。小さい頃から「六日市」と呼んでいましたが、その名の通り本えびすは前日の2月6日です。初市大祭は2月5日の宵えびすで幕を開けます。

湯立神楽

笹の葉を振る湯立巫女

おそらくこの ”振る” という動作も魂振りの一種なのでしょう。

一心不乱に清浄なお湯を振り撒きます。拝殿から聞こえてくる雅楽の調べは小気味よく、巫女さんの湯立にリズムが生まれます。まさに圧巻の湯立ショーでした(^^♪

スポンサードリンク

無病息災のご利益に授かる湯立神楽

湯立神楽のお湯を被れば、無病息災のご利益があると言います。

神事で清められた御湯です。一連の祭事が終了すると、釜のお湯が参拝者に配られます。5年前にも湯立神楽を見学しましたが、その時には頂けなかった笹の葉も持ち帰ることができました。湯立に使われた笹の葉です。これはラッキーでした。

湯立神楽の斎場

神事の前に斎場が清められます。

拝殿前には八つの釜が並び、煮立った御湯が湯気を上げていました。神官の右手に見えているのが、午後4時から行われる御供撒きの舞台です。

湯立巫女

さぁ、いよいよ湯立神楽の始まりです。

御幣を手にしていますね。

巫女が持つ御幣にも紙垂(しで)が付いていますが、斎場の四方に張られた注連縄にも紙垂が下がっています。

鯛引き行列

鯛引き行列の台車。

社務所前に置かれていました。

5日の宵えびす当日、子供たちによって引き回される慣わしです。

三輪坐恵比須神社拝殿

三輪坐恵比須神社の拝殿。

えべっさんの神紋「三つ蔓柏」ですね。残り福を祝ってか、今日は抜けるような青空です!

湯立神事の御幣

神に祈るために捧げるものを幣(ぬさ)と言います。

祓の際にも使われる幣ですが、巫女さんが手にするとさすがに緊張感が漂います。

湯立神事の鈴

何度か斎場から出たり入ったりを繰り返しますが、御幣の他にも鈴を手にしていますね。

鈴は音を鳴らす道具ですが、音によって神降ろしが行われているのでしょう。

湯立神事の神酒

神酒を注いでいます。

塩、洗米、神酒を順々に釜の中に注ぎ入れます。

湯立神事の後に参拝客に振る舞われる御湯ですが、こうして味付けが行われています(笑) 味付けなんて言うと下世話な話になってしまいますが、確かに美味しいのです。神様の御湯ですから、旨いに越したことはありません。

湯立神事の神酒

お酒を投入する際にも湯気が立ち込めます。

古代人たちはこの ”湯気” にも神秘的な何かを感じ取っていたのではないでしょうか。そもそも湯立(ゆだて)とは、立込める湯気の中で行う占いです。問い湯とも称され、託宣をうかがう神事でした。湯気の中で神意を問うのです。

湯立巫女

御幣の柄で御湯をかき混ぜます。

さしずめマドラーの役目を果たしているのかもしれませんね。

湯立神楽

ここでちょっと御湯を掛けます。

飛沫が見事に写っていました(^.^)

湯立神楽

各釜から三杯ずつの御湯を桶に汲み取ります。

ちなみにこの木桶は、汲み終わった後に神前へ献上されました。

煮え立つ御湯を使った占いで思い出すのが、甘樫坐神社に伝わる盟神探湯(くがたち)です。盟神探湯は少々荒っぽい占いにも思えますが、古代人たちはおそらくその立ち込める湯気に神との交信を覚えたのでしょう。

湯立神楽の笹の葉

いよいよ笹の葉の登場です。

ここに至ると、左右のアマチュアカメラマンたちが身構え出しました。

湯立神楽の笹の葉

こちらが神事の後にもらった笹の葉。

正真正銘、湯立神事に使われた縁起物です。

湯立神楽の笹の葉

御湯に笹の葉を浸します。

さぁ、いよいよ始まります!

恵比須神社の湯立神楽

両手を頭上に開くこのポーズ、湯立神楽の見せ場ですね。

参詣者に振り撒くことはよく知られていますが、おそらく巫女さん自身にも掛かっているはずです。湯立巫女自らも、御湯をかぶりながら神憑りのボルテージを上げていきます。

恵比須神社の湯立神楽

立ち込める湯煙と飛び散る飛沫。

さらには囃し立てるような雅楽の音色。

湯立神楽

徐々にヒートアップしていく湯立。

カメラのレンズにも、塩気を含んだ湯が掛かります。斜め前に陣取る私の頭や肩、膝にも御湯が降り注ぎます。

湯立神楽

どんどんどんどん振り撒きます。

実に小気味いいテンポ!

湯立神楽

太陽光と湯気が重なって、とても神秘的です。

古代の湯立は「湯の音」で占うこともあったようです。

湯にも音があるのかと面喰いますが、研ぎ澄まされた感性をもって臨めば、その音を聴き分けることも可能だったのでしょう。

被衣を纏う湯立巫女&残り湯で商売繁盛祈願

湯立神楽の最後のシーンも実に印象的です。

全ての神事を終えた湯立巫女が膝を屈めます。そこへもう一人の巫女が斎場に現れ、被衣(かづき)を頭上に掛けます。

湯立巫女

被衣を身に纏い、斎場から退出する湯立巫女。

「ご苦労様でした」と、心の中で呟きます。

薄い一枚布というのがいいですよね。

「被衣(かづき)」とは、その昔、女性が外出する時に人目を避けるために被った一重の衣服です。神降ろしを終え、その姿を見られてはならないというのでしょうか。だとすれば、こちらも見てはならないシーンなのかもしれません。実に奥ゆかしい。

湯立神事

笹の葉がうねっています。

音楽ライヴやマジックショーに使われているドライアイスをふと思い出します。何が出てくるか分からない、あのドキドキ感にも通じています。しばしの間、湯煙が醸す御神気に酔い痴れます。

湯立神事

熱気さえ感じさせますね。

寒波が襲来した日本列島は身震いするような寒気に包まれていますが、ここだけは熱い!

湯立神事

神の慈雨が降り注ぎます。

美しい虹でも生まれそうな勢いです。

湯立神事の釜湯

神事の後の釜。

中には米粒が見えています。

タイミング良く一筋の光が差し込み、これはまさしくレインボーですね。紙コップや湯呑み茶碗が用意され、神事に使われた御湯が振る舞われました。

湯立神事の道具

手前から塩、米、神酒が並びます。

8つの釜にそれぞれ投入されましたが、全部使い切ったわけではなさそうです。かなりの量が残されていました。

湯立神事

両手に笹の葉を持ち、御湯を振り撒きます。

境内には鯛焼きなどの露店も出ていました。

私の幼少時代は、「商売繁盛で笹持って来い」の囃子唄が境内に流れていたものです。あの音楽を耳にすることはもうないのかなと少し感傷に浸りました。なにせ少子高齢化の時代です。露店の数も激減しており、その点では寂しい限りです。

景気太鼓

午後3時からの演目『景気太鼓』。

腹の底に響き渡る和太鼓に身を任せます。

三輪坐恵比須神社の提灯

石鳥居の前には、えべっさん提灯がズラリ!

福々しい恵比須顔に、こちらまで笑みがこぼれます。

三輪の初えびすは、立春明けの三日間で行われる早春イベントです。

今年一年が皆様にとりましても良き年となりますように。家内安全、商売繁盛、さらには国家安泰をここに祈願致します。