2023年度の恵比須神社初えびす。
三輪の初えびすは、「商売繁盛で笹持って来い」の掛け声でお馴染みの伝統行事です。
昔から六日市と呼ばれ、2月6日が本祭です。前後3日間のお祭りですが、やはり本祭日の賑わいは格別です。毎年本祭日に、露天商として店を出しておられる京こま職人の雀休さん。今年も足を運んで参りました。
初えびすの干支独楽。
今年の干支・うさぎをモチーフにしています。可愛いデザインですね。
京野菜や真田紐など、新作も幾つか販売されていました。「京こま」は着物布や色鮮やかな綿紐を芯にして作られています。それらを巻き重ねて作る(巻胎技法)、京都の伝統工芸品です。
台座付きのコマ!置物にもなる干支ウサギ
以前にも雀休さんの独楽を購入しましたが、今回の作品は少しタイプが異なります。
そう、飾り物にもなる独楽です。
台座付きの干支独楽。
ウサギの体の下に赤い部分が見えますが、独楽を置く台になっています。ちなみに赤い毛氈のようなシートも購入時に付いていました。
干支独楽の台座。
真ん中に穴が開いていて、独楽を差し込めるようになっています。これは便利ですね。
こちらが独楽の本体。
いつも思うのですが、重心に狂いが無いよう作らねばなりません。独楽作りの難しいところではないでしょうか。熟練の技で、様々なキャラクターが「京こま」に変身していきます。
干支独楽の包装箱。
上に乗っている独楽ですが、オマケで付けて頂きました。
京こまは手で回すことが出来ます。コマ回しに “紐” は必須だろうと思う方もいらっしゃいますが、指先でつまんで回すだけでOKです。
うさぎ独楽の後ろ姿。
尻尾でしょうか、丸い突起が付いていますね。
指でつまむ芯棒は長めです。
雀休さんに教えて頂いたのですが、独楽の歴史は意外と古いようです。
大津市の南滋賀遺跡において、古墳時代後期のものとされる日本最古のコマが出土しています。実際に回すことも出来るようで、実用性のあるコマであることが分かります。おそらく祭祀に使われていたのではないかと言われています。独楽で何かを占ったのでしょうか。
神の宿る独楽。
古代の儀式では、厳かに回されていたと伝わります。
物事の始まりを意味する「卯」。
縁起物のうさぎは多産の象徴でもあります。ぴょんぴょんと飛躍を連想させるウサギにあやかり、明るい一年を祈願致します。
表情の絵付けは、雀休さん自らなさっているようです。
特徴的なうさぎの口を見事に表現していますね。
今回店頭に並んでいた独楽の中で “深鉢状” のコマが目を引きました。大津市で出土した古代コマも深い鉢の形をしています。雀休さんでは「鐘型独楽」として販売中です。持つとさすがに重いのですが、ちゃんと回るあたりに技術の高さがうかがえます。