三輪の初えびすの季節がやって参りました。
商売繁盛で笹持って来い♪ の掛け声と共に賑やかに催されたかつての初市大祭。昔の盛り上がりには及びませんが、少しずつその認知度も上がってきているようです。
初市大祭を前に、三輪坐恵比須神社の境内にお邪魔して参りました。
2017年度の大絵馬が掲げられています。
「今年は思いっきりケッコウな年にしましょ」と洒落を利かせた言葉で、大黒様と恵比須様が満面の笑みを浮かべておられます。木の枝に止まるのは今年の干支の酉ですね。
意外と知られていませんが、頌春(しょうしゅん)と読みます。
御湯の神事が待ち遠しい恵比須神社境内
三輪の初えびすでまず思い出すのが、社務所前で執り行われる湯立神事です。
巫女さんの撒き散らす湯を被ることで、無病息災のご利益に授かります。ちょうど4年前の2013年度に湯立神楽を見学致しました。その際、巫女さんのスピリチュアルな所作に感動を覚えました。
宮司さんにお伺いすると、湯立神楽にも様々な流派があるようです。
毎年三輪坐恵比須神社で披露される御湯の神事は、大阪府富田林市の佐備神社に伝わる冨永流浪速神楽なんだそうです。
佐備(さび)神社は天太玉命を御祭神とするお社で、忌部氏の祖神を祀ります。お恥ずかしながら、富田林に佐備神社なる神社があることすら知りませんでした。聞くところによると、住吉大社にもご奉仕なさっていて佐備神社といえば御神楽が有名なようです。
ちなみに奈良県橿原市忌部町にも、天太玉(あめのふとたま)を祀る天太玉命神社があります。
御供撒きの舞台。
最終日の2月7日に、このステージの上から ”福” が撒かれます。
本えびす(本祭)は前日の6日ですが、翌7日には御湯の神事をはじめ、景気太鼓やごくまきが予定されています。個人的には本祭当日よりも、最終日の方が胸ときめくものがあります。
三輪の初えびすを宣伝するポスター。
”日本最初市場海柘榴市(つばいち)の伝統を今に伝える”と書かれていますね。
その昔、長谷寺の山崩れによって初瀬川が氾濫したそうです。日本最古の市と言われる海柘榴市ですが、川の氾濫により移動を余儀なくされました。洪水の被害でこの地に移り、今に至るのが三輪坐恵比須神社というわけですね。
社務所も改装されましたが、その前の木にもつっかえ棒が!
このつっかえ棒、以前は目にしたことがなかったのでおそらく最近取り付けられたのでしょう。
初えびすの幟旗に私どもの屋号が(笑)
近鉄桜井駅前にも数多くの幟旗が立っていました。「三輪の初えびす」とはいえ、やはりアクセスを考慮すれば近鉄の最寄駅が鍵を握っています。桜井駅前で初市大祭のことを知った人々が、一人でも多く三輪の恵比須神社を訪れて下さることを願います。
えべっさんのお守りと龍笛講習
所用があって宮司さんとお話をしていたのですが、ふと見ると受付所には多数の御守が!
全国各地の神社仏閣で販売されるお守り。お守り人気のキーワードはやはり「可愛らしい」でしょうか。丸っこくて可愛らしいお守りが人気を集めているような気がします。
カラフルなお守り。
見るからに福々しい、縁起の良さを感じさせますね。
こちらは勝運祈願の御守でしょうか。
勝負事はやはり、丸っこいよりも角ばっている方がご利益がありそうです。
三輪恵比須神社で定期開催されている龍笛講習。
毎週日曜日の13時と、毎週火曜日の17時から3時間に渡って講習が行われています。連絡先に青丹雅楽会の田口禊様と記されていますが、実は私どものお知り合いでもあります。練習場所は恵比須神社以外にも、県内各地に設定されているようです。
大和郡山市の郡山八幡神社・柳沢神社・源九郎稲荷神社、天理市の大和神社、田原本町の多神社と広域にわたります。田口様、どうもご苦労様です。
招福十二支の福鈴。
干支の酉を模った鈴で、初穂料は800円のようです。
福鈴と書かれていますが、最近よく見かける土鈴なのかもしれませんね。
いよいよ迫り来る初市大祭ですが、宵えびすの2月5日には、大神神社に於いて卜定祭(ぼくじょうさい)が執り行われます。地元特産の三輪そうめんの、その年の卸値を古式にのっとって占います。神意のままに高値、中値、安値が決められるという伝統祭事です。
かたや三輪恵比須神社の宵えびすでは、古代衣装行列を見ることができます。翌6日の本えびすでは煮麺の接待があります。そしてフィナーレを飾る残り福の最終日に、お目当ての御湯の神事が予定されています。
さぁ、一年の福を頂きに「三輪の初えびす」へ繰り出しましょう!
2013年度に見学した湯立神楽の模様です。
スライドショー動画ですが、ご興味のある方は参考までにどうぞ。
<三輪恵比須神社の初市大祭案内>