橿考博(かしこうはく)の特別展。
長い名前の「橿原考古学研究所附属博物館」のことを「橿考研(かしこうけん)」と呼んでいましたが、そのミュージアムのことは「橿考博(かしこうはく)」と言うようです。今回、改めて知りました(笑)桜井市が誇る巨大王陵の桜井茶臼山古墳がフィーチャーされています。
桜井茶臼山古墳の観覧チケットと小冊子。
103面超もの銅鏡が出土した桜井茶臼山古墳。
儀式用の杖も含め、おびただしい数の副葬品が出土した古墳です。観覧券には上空からの墳丘図・・・柄鏡式(えかがみしき)前方後円墳であることが分かりますね。前方部が細長い!くびれ部から前方部の先にかけて、その幅が変わらない形状です。柳本大塚古墳なども柄鏡式の前方後円墳として知られています。

高野槙を刳り抜いた木棺を見学
特別展の目玉は、桜井茶臼山古墳の木棺でしょう。
高野槙の丸太をくり抜いた4.9m長の木棺が展示されていました。棺の内部は平らに加工されており、何かを収めたであろう四角い穴が見られます。柳本大塚古墳から出土した木棺も高野槙製です。現在は大神教本院の額に転用されていますので、桜井茶臼山古墳の木棺をイメージしてみたい方は訪れてみて下さい。
橿考博(かしこうはく)のスタンプ。
鳥装の巫女と土馬がデザインされていますね。館内の数か所に記念スタンプが置かれており、自由に押印することが出来ました。
王陵・桜井茶臼山古墳は古墳時代前期の大型墳で、全長は200mを超えます。桜井茶臼山古墳のような大王級の木棺を観ることが出来る“唯一の例”として話題になっています。
すぐ手前が駐車場です。玄関向かって右屋外には、束明神古墳の石室レプリカなども展示されています。中も外も充実のコンテンツで、見る者を飽きさせません。
メスリ山古墳の円筒埴輪。
桜井茶臼山古墳よりも後の時代に築かれたメスリ山古墳。桜井茶臼山古墳もメスリ山古墳も埋葬施設は竪穴式石室です。茶臼山古墳の石室方形壇周囲には、丸太垣が築かれていたようです。時代は下り、丸太垣から円筒埴輪へと推移していったのでしょう。
桜井茶臼山古墳の墳丘は、築造当初より大きく変形しています。
昨今の航空レーザー測量の技術はすごいですね。大規模災害などによる地滑りが原因で、墳丘の変形を余儀なくされたようです。
聴講無料の研究講座も開かれています。
申込不要で、定員は250名とのことです。
橿原考古学研究所の講堂が会場で、王権下での鉄器生産や被葬者像にも迫るお話を聴くことが出来ます。ご興味のある方は是非!