近鉄忍海駅近くのミュージアムを訪れました。
角刺神社の傍にあり、葛城地方の歴史や文化を伝える歴史博物館です。展示室は1階フロアのみで、常設展示室に屋敷山古墳の石棺が置かれていました。屋敷山古墳は葛城市最大の前方後円墳です。その後円部の竪穴式石室に長持形石棺が納められていたようです。
葛城市歴史博物館に展示される長持形石棺。
蓋石には計四個の縄掛突起が付いています。運搬時に引っ掛ける部分として利用したのでしょう。底石を含め、全てが揃っているわけではありませんが十分に楽しませて頂きました。
常設展示室で竜山石製石棺材を見学
屋敷山古墳は葛城市新庄にあります。
葛城市歴史博物館からは北西方向に当たります。5世紀頃に築造された前方後円墳で、現在は「屋敷山公園」として庶民の憩いの場になっています。
葛城市歴史博物館。
入館料は大人200円で、駐車場は無料でした。
蓋石の縄掛突起。
長持形石棺で思い出すのが、御所市の室宮山古墳ですね。屋敷山古墳と同じ大型の前方後円墳で、埋葬施設を見学することが出来ます。竪穴式石室の中を見学できるとあって、今も多くの古墳ファンを魅了しています。
近鉄忍海駅。
「葛城市歴史博物館」は近鉄御所線の線路西側です。
長持形石棺って、何かこう丸みを帯びていますよね。
デザインが秀逸です。
屋敷山古墳出土の長持形石棺材。
史跡屋敷山古墳から出土した長持形石棺の蓋石と小口板(短側板)である。長持形石棺は古墳時代中期の大型古墳にみられるもので、底石と側石を組合わせた箱形の棺身に蒲鉾形の蓋をともなうもので、全体の形が長持に似ているのでこの名がある。この付近では御所市室の史跡宮山古墳からも発見されている。
なお、この石棺材は兵庫県高砂市竜山産の竜山石(流紋岩質熔結凝灰岩)と考えられている。
蒲鉾形の蓋石。
断面がカマボコのようにアーチを描いていますね。こうして長持形石棺を間近に見学できるのは有難いことです。竜山石製とのことですが、石材の表面にはクレーターのような穴が見られます。
展示室に入ると、すぐ足元には航空写真の大パノラマが広がっていました!
フロアにそのまま航空写真がはめ込まれ、ガリバーにでもなったような気分です。上空を歩き回りながら、葛城市内を遊泳します。「鳥瞰(ちょうかん)」とはまさにこのことで、素晴らしい遊泳体験を満喫しました。