与楽カンジョ古墳を見学した後、貝吹山城跡へ登りました。
後半は急登が続き、少々きつめの登山を体験することになります。頂上から下りる際、反対方向に別のルートを見つけました。白壁塚古墳の道標が下山方向を指し示しています。横口式石槨の寺崎白壁塚古墳ですね。
その白壁塚古墳のすぐ隣り!
漆喰の白壁塚から南東部に、ぽっかりと口を開けている石室がありました。開口部の下で開墾作業をなさっている方にお聞きすると、どうやら寺崎白壁塚古墳に関連する古墳のようです。さらに南方にも調査中の古墳があるようで、現在進行形の脈動を感じました。
白壁塚古墳のすぐ近く!浅くて低い埋葬施設
高取町の与楽エリアは古墳の密集地帯です。
周辺には与楽カンジョ古墳、与楽鑵子塚古墳、寺崎白壁塚古墳などがあります。貝吹山の山麓反対方向にまで目を移すと、白橿町の沼山古墳があることに気付きます。近くの真弓丘陵には真弓鑵子塚古墳が名を連ねています。
調査中古墳の開口部。
近隣古墳を並べてみると、ドーム状の石室を持つ古墳が多いことに気付きます。
与楽カンジョ古墳に与楽鑵子塚古墳、さらには沼山古墳、真弓鑵子塚古墳と・・・どれも皆天井の高い玄室を誇る古墳として知られます。その点、調査中の古墳の石室天井は低かったです。
隣接する寺崎白壁塚古墳。
新緑の季節に訪れると、やはり緑が濃いですね。
開墾作業中の人が墳丘下に写っています。
開口部の周りには多くの切り株がありました。
開口部まで簡易手すりと階段が付いています。
「石室を見学することは出来るんですか?」とお伺いすると、見るだけなら問題は無いとのことでした。足元に気を付けながら近づいてみることに致しました。
羨道部があるわけでもなく、いきなり玄室空間になっているのでしょうか。
横穴式石室か、あるいは白壁塚古墳と同じく横口式石槨なのか・・・
辿り着きました。
開口部から少し落ち込み、左方向へ続いているようです。
石材が斜めになっており注意が必要ですが、覗き込んでみます。
うん、これなら入れそうですね。
敷石らしきものが見られます。
古代の埋葬空間へ・・・
おっと、すぐに突き当りでした!
とても浅い埋葬空間です。
開口部から今来た道を振り返ります。
かなり高低差がありますね。
ご案内頂いた方にお礼を述べて、与楽鑵子塚古墳へ向かいます。
カンス塚ともそんなに距離は離れていませんでした。もう一度、調査中の古墳に目を向けます。
遠方からでも開口部が確認できますね。
あの高まりから少し下手にも、古墳らしき丘陵があります。
竹林の中、季節のタケノコが生えています。
どうやらあの辺りも、未発掘の古墳なのかもしれません。常に動き続ける奈良県の古墳調査。時が止まった古墳時代に、現在進行形で働きかける姿に遭遇した一日でした。