山添村の『フォレストパーク神野山』。
めえめえ牧場や鍋倉渓が人気の県立自然公園です。なだらかな稜線の神野山(こうのやま)は眺望の開けた山で、その標高は618.8mに及びます。山頂へ登って行く途中に、不思議な磐座がありました。「北斗岩(北極星)」と呼ばれ、星空を投影した鍋倉渓周辺の奇岩群の一つとされます。
北斗岩(北極星)。
苔生した奇岩が北斗七星のように並びます。
鍋倉渓と周辺巨石は、星空のプラネタリウムを映したようだと言います。神野山山頂の墳丘・王塚が白鳥座のデネブを表し、北斗岩は北極星に重なるという説が唱えられます。
鍋倉渓の不思議!神野山展望デッキの上手にある北斗岩
山添村の春日神社から鍋倉渓を目指しました。
県道80号線を西へ進み、県道272号(神野山公園線)と交差するポイントで左折します。そのまま南下し、鍋倉渓の手前を右折して登って行きます。ちょうど右折する場所が、雲海の絶景ポイントになっていました。めえめえ牧場を左手に見ながら、最上部の駐車場に車を停めます。
駐車場から山頂へ続く階段がありました。
「北斗岩」の案内札があり、自然と足が向きます。階段を登って行く途中で右へ曲がり、鬱蒼とした山中に足を踏み入れます。しばらく進むと、左側に北斗岩がありました。
めえめえ牧場の羊と黒い巨岩。
牧場周辺にも鍋倉渓の一部と思われる岩がゴロゴロしています。
鍋倉橋近くの奇岩群。
北斗岩やめえめえ牧場からは下流に当たります。水の流れこそ見えませんが、奇岩群の下には脈々と水が流れています。鍋倉橋近くまで下って来ると、水音を聞くことも出来ました。
フォレストパーク神野山の展望デッキ。
景色が開けます!
展望デッキ手前の駐車場。
北斗岩を見学するには、この駐車場を利用するのがいいでしょう。めえめえ牧場の入口付近にも駐車場がありますが、坂道を登って来る必要があります。
駐車場奥に案内札が立っていました。
神野山遊歩道マップを見ると、山頂へ向かう道中に八畳岩という磐座もあるようです。今回は時間の都合上、断念することになりました。次回は山頂の展望台や天狗杉、神野寺を満喫したいと思います。
山頂を目指す階段。
夏場ということもあり、草木が繁茂しています。しばらく登ると、右へ折れる案内札がありました。人気(ひとけ)のない山中へ入って行きます。
これかな?
と思ったのですが、どうやら違うようです。北斗岩でこそありませんが、これも鍋倉渓の奇岩を思わせる格好ですね。
さらに奥へ進むと、ありました!
北斗岩の案内が出ています。
神野山山頂の王塚から北に位置している。BC2千年の竜座のトゥバンを表していると考えられている。 山添村いわくら文化研究会
α星のトゥバン(Thuban)は、古代エジプト時代の北極星に当たります。竜座の恒星のようです。
どれもみな、表面が苔生しています。
湿気を感じる場所で、「蒸す」という言葉が頭をよぎります。蒸すは「生す(むす)」につながり、それはそのまま「結び」に重なります・・・。生命の誕生、世界の始まりを感じさせる空間でした。
鍋倉渓は毎年8月上旬から中旬にかけてライトアップされます。
地上に星空を再現するようなイベントですが、鍋倉渓の由来に触れるにはいい機会かもしれません。
それにしても綺麗なモスグリーン。
訪れたのは7月中旬です。真冬ではこうもいかないでしょう。
北斗岩の所在地は、山添村大字伏拝(ふしおがみ)です。
よくあることですが、地元では伏拝(ふしょがみ)と呼ばれているようです。北斗岩を目の前にすると、伏して拝む気持ちにもなりますね。
めえめえ牧場脇の巨岩。
鍋倉渓から少し離れた場所ですが、よく似た奇岩が姿を現していました。
山添村の観光資源として注目される磐座。
ふるさとセンター内の長寿岩も必見です。それらの他にも岩尾神社の神体石、牛ヶ峯枡型岩、遅瀬亀石、菅生あたごさん、大師の硯石等々、見所満載です。