西大寺鎮守の石落神社

西大寺東門からやや北東方向に小さなお社があります。

その名を石落(いしらく)神社と申します。西大寺の飛び地境内に祀られる鎮守社で、その本殿は奈良市指定文化財にもなっています。

近鉄大和西大寺駅から徒歩3分ほどの距離にある西大寺。お寺目指して歩いて行くと、東門手前の左側に石鳥居が建っていました。うん?こんな所に鳥居・・直感で西大寺に関連の深い神社であることを悟ります。

石落神社鳥居

西大寺鎮守社の石落神社。

石鳥居から真っ直ぐ向こうに本殿が祀られています。

西大寺の仏像拝観もおすすめですが、石落神社のような名も知れぬお社に魅かれるものを感じます。

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見世棚造の本殿と石落神伝説

鳥居の外側から見ても、本殿に階段が付いていないことが分かります。

随分簡素な造りです。

その質素な構えからは、原初の祀り方が垣間見えます。間口もわずか一間ほどでしょうか、土台の上に組まれただけの社殿です。室町時代中期の建立とされ、その歴史の古さを思わせます。

石落神社本殿

石落神社本殿

おそらく本殿の前に立てば、社殿を見下ろすような格好になるのではないでしょうか。残念ながら、鳥居手前に立入り禁止の竹が渡されていて中には入れませんでした。

西大寺中興の祖・叡尊上人によって手厚く祀られた石落神。

石落神とは一体どのような神様なのでしょうか?

『続日本紀』によれば、西大寺の東塔心礎を破却する際、石の祟りを恐れて小石に割って道に捨てたそうです。そうすると、称徳天皇が病気になってしまったというではありませんか。そこで、石を寺内の浄地に置いたと伝わります。石の祟りを畏れ、道に敷かれた石を祀ったのが起源とされます。果たして真相やいかに!?

石落神社の案内板

奈良市指定文化財 西大寺石落神社本殿 昭和63年3月3日指定

一間社 春日見世棚造 檜皮葺

この場所は、西大寺の境内飛地であり、神社は西大寺の鎮守社として仁治3年(1242)、叡尊によって祀られたのが始まりとされている。この本殿は正面に階段を設けず一面に床を張る見世棚造となっており、装飾の少ない簡素な建物である。古式な要素が各所にみられ風蝕も著しく、建立年代は室町時代の中頃と考えられる。奈良に多い見世棚造小社殿の中でも年代の特に古いものとして貴重なものである。

西大寺東塔跡の向こうに本堂を望みます。

それにしても、石落神社って不思議な神社ですよね。

叡尊が三輪から少彦名命を勧請したとも伝えられています。少彦名命といえば、今でも三輪山麓の磐座神社に祀られている医薬の神様です。三輪の地から勧請された少彦名ですが、呪薬法会などに奉祀されてきたそうです。

奈良の西大寺で製造販売されていた豊心丹(ほうしんたん)という漢方薬があります。我が国最古の売薬として知られますが、石落神が授与した秘薬というストーリー立てで作られていたそうです。

今も3月の初午厄除祈願では、石落神を勧請して祈りが捧げられています。

石落神社瑞垣と西大寺東門

石落神社の瑞垣越しに西大寺東門を見ます。

道を挟んで、東門と目と鼻の先に位置しています。

西大寺参詣の際は、是非こちらの神社にもお参り下さい。