奈良県内有数の紅葉の名所。
法隆寺や龍田神社の近くにある竜田公園。竜田川沿いに広がる都市公園ですが、毎年晩秋になると木々が色付き観光客で賑わいます。竜田川沿いに20台余りの無料駐車場があります。そこに車を停めて、川沿いを歩いてみました。
朱色の橋が紅葉に映えます。
両岸で紅葉が見られ、橋を行き来しながらの散策となります。竜田揚げの名前の由来にもなった紅葉です。黄色と赤色の比率で言えば、断然赤色に染まる葉が多かったですね。
能因法師の和歌にも詠まれる竜田川の紅葉
古来より語り継がれる紅葉です。
平安時代の僧侶であり、歌人でもあった能因法師。
嵐吹く 三室の山の もみじ葉は 竜田の川の 錦なりけり
竜田川沿いに桜の名所・三室山(みむろやま)があります。こんもりした小さな丘ですが、丘陵全体がピンク色に染まる桜の風景は圧巻です。三室山にも登ってみましたが、所々で紅葉も楽しむことができました。
竜田公園の紅葉。
時々犬を連れて散歩する方々とすれ違います。素敵な散歩コースですね。きっと飼い犬も喜んでいることでしょう。スイス原産の大型犬、バーニーズ・マウンテン・ドッグ(BMD)にも出会いました。穏やかな犬ですが、運動量の多いことで知られます。竜田川沿いはうってつけの散歩コースではないでしょうか。
三室山の頂上に辿り着きます。
ちょっとした休憩所ですね。その向こうに、王寺方面を見渡す風景が広がっていました。
能因法師の五輪塔でしょうか。
三室山の標高はわずか82mです。
三室山の頂から王寺方面を見渡します。
家々が密集している様子が分かります。大阪のベッドタウンとも言える王寺。奈良県にありながら、「奈良府民」と呼ばれるグループに属しています。
竜田は龍田とも書きます。
龍田は法隆寺西部の地名ですね。近代史を紐解けば、昭和後期に法隆寺地名訴訟という揉め事があったようです。昭和54年「住居表示に関する法律」によって、「法隆寺」の一部を「龍田北一丁目」と改変しました。これに困惑した住民らは訴訟を起こし、旧地名復活に尽力したと言います。結果的にその訴えは退けられたそうです。やはり当時から「法隆寺」のネームバリューは高かったのかもしれませんね。
燃えるように鮮やかな紅葉。
川沿いのあちこちにベンチが置かれています。
黄色と赤が混在しています。
紅葉においてもグラデーションは美しい!
寺社の紅葉でない分、竜田公園の紅葉狩りは無料で楽しめます。
国道のすぐ近くですから、アクセスも至って便利です。
三室山から竜田川を見下ろします。
奈良県の紅葉名所ですが、竜田公園の他にも奈良公園、談山神社、長谷寺、正暦寺、長岳寺、等彌神社、室生寺等々が挙げられます。
竜田公園の駐車場ですが、車のナビに以下の住所を入れておけばよいと思います。
奈良県生駒郡斑鳩町稲葉車瀬2-553
今年はまだもう少しの間、竜田川の紅葉が楽しめるでしょう。散ってしまう前に、是非足を延ばしてみてください。