栄山寺の境内に御霊神社がありました。
国宝八角円堂の真横です。位置的には栄山寺の鬼門(北東)に当たります。元は春日神社という鎮守社でした。五條市という場所柄か、現在は井上皇后が分祀されているようです。

小島町御霊神社の鳥居。
栄山寺の住所は、奈良県五條市小島町です。小島町にある御霊神社ということですね。皇位継承問題の犠牲となり、五條の地に幽閉された井上内親王(いのえないしんのう)。その祟りを怖れ、手厚く祀ったのが御霊神社の起源です。

祟り神の霊力を授かる栄山寺
歴史的に怨霊となった人物が何人かいますよね。
井上内親王もそうですが、菅原道真や崇徳天皇、平将門なども祟り神と言えそうです。
祟りの語源は、神がこの世に出現する「立ち有り(たちあり)」にちなんでいます。祟りと言うと悪い意味で使われることが多いですが、元来は良い意味も含んでいたようです。怨霊を恐れて祀るわけですが、呪いの力が強ければ強いほど、反転してご利益のパワーも並外れたものだったはずです。

小島町御霊神社の狛犬と八角円堂。
お寺の中の神社。よく見る光景ではありますが、御霊神社を祀るあたりは五條市ならではですね。

栄山寺本堂。
御本尊の薬師如来坐像を安置します。結んだ禅定印の上に薬壺を乗せる珍しい格好をなさっています。

井上内親王は聖武天皇の長女です。
若い頃は伊勢神宮に奉仕する斎王でした。任務を解かれた後は京へ戻り、高齢出産で他戸親王(おさべしんのう)を生みます。他戸親王は皇太子に立てられましたが、後に井上内親王の大逆の罪により、母子共に五條に幽閉されることになります。
井上内親王が鎮まる五條市霊安寺町の御霊神社・・・栄山寺からさほど遠くもなく、私も一度訪れたことがあります。

小島町御霊神社の由緒。
小島一円の氏神として崇められています。霊安寺の御霊神社より分祠されたことが記されていますね。

狛犬だとばかり思っていますが、これは口を開けた獅子なのかもしれません。阿形で角が無いのは獅子の特徴と学んだ覚えがあります。

井上内親王が幽閉された地には、聖神社というお社もあるようです。井上院(いじょういん)と称す、ゆかりの地も気になりますね。

口を閉じ、角を持つのが狛犬。
春日大社景雲殿の特別公開で、獅子と狛犬の見分け方をボランティアガイドの方から教わりました。

小島町御霊神社の鳥居は両部鳥居ですね。
神仏習合の地に建つ鳥居として知られます。

小島町御霊神社の拝殿。
石燈籠の竿が石垣ですね、これは珍しい。

吉野川流域で採れた石材なのでしょうか。
笠の部分も含め、火袋以外はこの地ならではの趣です。

笠の上の落葉。

拝殿から続く石段。
その上に本殿が祀られていました。

湾曲していますね。
より高所に祀られる井上内親王。地元の方々の篤い気持ちが伝わってきます。



