五條本陣の南に朱色の鳥居が建っています。
吉野川の向こう側に鎮座する御霊神社の御旅所・五條恵比須神社です。
1607年に建てられた民家・栗山家住宅の向かって右側に当たります。御祭神は蛭子命(ひるこのみこと)と井上内親王(いがみないしんのう)のようです。
国道168号沿いの五條恵比須神社。
江戸時代の町並みを残す新町通りを目指して歩いていると、目の前に立派な鳥居が現れました。
御霊神社秋祭りの御旅所!10月の渡御行列
御旅所と言うぐらいですから、御神輿が休憩する場所なのでしょう。
吉野川を挟んで反対側の南に鎮座する御霊神社(御霊本宮)。
御霊神社には井上内親王が祀られており、祟りの象徴ともされます。政局が混乱する奈良時代末期、皇子に当たる他戸親王(おさべしんのう)と共に幽閉され、非業の死を遂げた人物です。井上内親王は光仁天皇の皇后に当たります。
御霊神社の御神体が神輿に遷され、吉野川を渡って2km離れた当地までやって来ます。
奈良県内には井上内親王ゆかりの地が幾つかありますが、その総本山とでも言うべき場所が五條市霊安寺町の御霊神社なのでしょう。
五條恵比須神社の観光案内。
御霊神社の五條御旅所。10月最後の土日には秋祭りが開催され、100余名の行列で渡御神事を行い、御旗、神具を先頭に神輿が進みます。
本陣交差点近くに鮎のモニュメントがありました。
鮎の簗漁(やなりょう)を表しているのかもしれません。
一時(いっとき)の遷座地です。
神となった井上内親王を慰め、ねぎらう渡御行列。御霊神社には平安時代後期に作られたという一木造りの女神像が祀られています。井上内親王の御霊を表す神像で、木造御霊大神坐像として奈良県文化財に指定されます。五條恵比須神社は、井上内親王をお迎えする場所であることを覚えておきましょう。
奈良市内の奈良町にも御霊神社があり、同じく井上内親王を祀ります。奈良公園にも近い場所ですので、観光がてら足を延ばしてみましょう。