今年も安倍文殊院の桜を見に行きました。
文殊池の周りに咲く桜は圧巻で、金閣浮御堂を背景にインスタ映えする写真が期待できます。境内のあちこちに桜の木が植えられ、本堂前をはじめ、晴明堂や表山門も撮影スポットになっていました。
不動堂と桜。
展望台から見下ろす「花の広場」にも開花しています。毎年年末に登場するジャンボ干支花絵ですが、4月初旬のこの時期にも残っていました。子年のネズミ巨大花絵の脇に、春を謳歌する花びらが開いています!
晴明堂や吉祥閣にも開花!春爛漫に華やぐ境内
安倍氏の氏寺とされる安倍文殊院。
東大寺とも関係の深い華厳宗のお寺で、快慶作の国宝・文殊菩薩像をご本尊とします。
金閣浮御堂と桜。
金閣浮御堂には安倍晴明の御尊像や陰陽道に関する宝物が祀られています。
文殊池に浮かぶ金閣浮御堂は六角堂で、堂内六面の壁面には秘仏・十二天御尊軸(室町時代)も手厚く祀られています。水面に浮かぶ花びらが綺麗ですね。
晴明堂と桜。
展望台にある安倍晴明を祀るお堂です。
意の如くに願いを叶えてくれる如意宝珠が置かれています。
吉祥閣と桜。
2019年5月に落慶した二階建ての建物です。
吉祥閣の利用は団体予約に限るようですが、僧侶の法話を聴いたり、お抹茶・お点前体験、健康薬膳精進料理などを楽しむことができます。
本堂前に咲く仲麻呂望郷枝垂桜。
遣唐使・阿倍仲麻呂ゆかりの桜ですね。
安倍文殊院の本堂内には、日本最大の文殊菩薩像が安置されています。渡海文殊と称される、大変貴重な仏像群です。
表山門の桜。
寺号標には「日本三文殊第一霊場」と記されます。「下馬」と刻む石標は以前からありましたが、この寺号標は真新しいものですね。
文殊池の畔から不動堂を望みます。
思えば不動堂の中はまだ拝見したことがありません。花頭窓の美しい意匠が印象に残ります。
花の広場の隅っこには、竹の密生する場所があります。
朱色の太鼓橋も向こうに見えますが、この辺りに人影はあまり見当たりません。
干支花絵を横から見ます。
辛うじて手前の五芒星だけが確認できますね。やはりこの角度では、パンジーで描かれる干支のネズミを確認することはできません。
立つ位置を少しずらしてみましたが、そう変わりはありません。
やはり展望台から見下ろしてこその花絵ですね。
晴明堂を正面から。
球体の如意宝珠が黒く光っています。
枝垂桜が覆い被さります。
石燈籠の格狭間(こうざま)には、雲のような模様が刻まれています。
晴明堂前の展望台から見下ろします。
見えました、見えました!鼠(ねずみ)が尻尾を絡ませていますね。
2020年度のジャンボ干支花絵です。
桜が満開になると、金閣浮御堂がすっぽり隠れてしまうようです。
遥か西方に、雄岳・雌岳が寄り添う二上山を望みます。ちなみに二上山の向こうは大阪です。
保田與重郎景仰碑と白山堂。
今も桜井駅近くの近鉄沿線に保田與重郎の生家があり、市立図書館へ行けば、川端康成らと檜原神社詣でをしている往時の写真が展示されています。朱色に映える白山堂は、縁結びの神様として信奉を集めています。
仲麻呂望郷枝垂桜の向こうに、文殊院西古墳が見えています。
特別史跡に指定される古墳で、横穴式石室が開口しています。
遣唐使として異国の地を踏み、異国の地で没した阿倍仲麻呂。
故郷への想いは強く、その心情を詠った歌碑が文殊池の畔に建ちます。枝垂桜の物悲しい雰囲気が、仲麻呂の想いを代弁しているかのようです。
本堂前にはたくさんの絵馬が掛かります。
安倍文殊院の合格祈願絵馬ですね。智恵の文殊さんにちなみ、多くの受験生が訪れるお寺です。
表山門へ続く参道。
こちらの参道も整備が進んでいるようです。続々と石灯籠が寄進されているのが分かります。
桜の季節は格別です。
コスモス寺院として知られる安倍文殊院ですが、春はやっぱり桜です。可憐なコスモスに比べ、華やかさが違いますよね。新型コロナウィルスに揺れる世界ですが、毎年花見が楽しめるようお祈りして参りました。