武家屋敷や豪農の邸宅に用いられた長屋門。
間口が異様に広く、一見するだけで家主の権力を感じさせる造りです。奈良県内では、高取城下町の植村家長屋門がよく知られます。五條市内にもあったので、ここにご紹介しておきます。
五條市野原西の岡松家長屋門(おかまつけながやもん)。
花のみてら・金剛寺のすぐ近くです。位置的には金剛寺と辯天宗総本山・如意寺の中間辺りでした。
吉野川南岸の奈良県指定文化財
岡松家長屋門は吉野川の南岸にあります。
新町通りのある北岸から大川橋を渡り、左へ折れます。この辺り一帯は辯天宗の聖地になっていますが、その手前に長屋門がありました。
岡松家長屋門の出格子。
今も住居として現役のようです。残念ながら非公開ですが、外観を見学することはできます。
長屋門の前に立つ道標。
徒歩2分ほどの金剛寺を指し示します。同じ方向には野原御霊神社が鎮座しており、祟り神の井上内親王を祀ります。
道標の角にあったJA。
JAのはす向かいが岡松家長屋門です。
周辺地図がありました。
岡松家長屋門の他にも、御霊神社、金剛寺、如意寺、観音寺と観光スポットが集まります。
長~い!
ワイドな奈良県の指定文化財です。
岡松家長屋門(奈良県指定文化財)の案内板。
岡松家は野原の代官として知られたもので、今もなお屋敷は広大な面積を占め、表通り一杯に長屋門を構え、元はその前面に松の馬場を持っていた。建立年代については明らかではないが、焼失した主屋は桃山時代を下らない時期と考えられ、この長屋門もそれに続くものである。
電柱の住所表示。
岡松家は江戸時代に、宇智群野原村の代官を務めたようです。野原のお代官様、それが岡松家長屋門の家柄なんですね。地名の野原と言えば・・・
智辯学園高等学校の住所は、野原中です。
巨人の岡本選手や阪神の前川選手の母校ですね。智辯学園高校は、岡松家長屋門からも徒歩圏内です。時間に余裕のある方は、是非足を延ばしてみて下さい。高いフェンスの張られた野球場で、元気な球児の声が木霊しています。