毎年恒例の三輪坐恵比須神社の初市大祭。
本祭に当たる2月6日の昼下がり、空き時間を利用して恵比須神社境内へ足を運んで参りました。
雀休ご主人作の三連独楽。
恵比須神社の鳥居手前で、今年もまた京こま職人さんとお会いすることができました。昨年はその可愛らしさに魅せられ、九条ねぎの独楽を購入させて頂いたのですが、昨年度には見られなかった型の独楽です。三つ連なった独楽は、ただそれだけで斬新なアイディアのようにも思えます。
独楽の英語翻訳はtop
独楽を英語に訳すと、top になるんだそうです。
会社絡みでの需要があるのも頷けます。トップ目指して駆け上がる、業界のトップを目指して日々邁進する。企業戦士にとって top という言葉は実にいい響きがします。英和辞典を紐解くと、spin a top で独楽を回すという意味になります。
鍋の蓋や瓶の栓なども top で通じます。先っちょをつまむ動作を連想すれば、何となく独楽が top であることが納得できるような気が致します。
独楽と恵比須神社の拝殿。
拝殿前には福笹を授ける福娘さんたちの姿が見られます。
辞書の中に面白い熟語を見つけました(笑)
sleep like a top で、ぐっすり眠る・熟睡するという意味になります。独楽のように眠ることが、熟睡することにつながります。素早く回転している様子をじっと見ていると、あたかも止まっているかのような錯覚に陥ります。おそらくそのような感覚から、熟睡するというイメージへと膨らんでいったのではないでしょうか。
三連独楽と御供撒き台。
明日の2月7日、紅白の特設ステージである御供撒き台から福餅が撒かれます。
上へいくほど独楽のサイズが小さくなり、綺麗に三つの独楽が連なります。バランスも絶妙に設計されていて、手でひねるとクルクルと勢いよく回り出します。
恵比須神社は商売繁盛の神様として知られます。商売が上手く回り、今年も賑やかな一年が送れますようにと願いを込めます。
こちらは恵比須神社の御守り授与所に置かれている鯛のこまの根付。
恵比須神社の人気の御守りは、京こま職人さんの手作りによるものです。
えべっさんと言えば鯛です。
七福神の恵比須様は鯛を片手に微笑んでおられます。「腐っても鯛」と言われるぐらいに美味で知られる鯛ですが、お祝いの席にも欠かせない食材として人々の生活に根付いてきました。鯛をモチーフにしたお守りは、いかにも恵比須神社ならではですね。
狛犬を背景に京こまを撮影。
桜の花にはまだ早い2月の初旬。寒風吹く中のご奉仕も大変です(笑)
恵比須神社からもほど近い大神神社では、本日6日の午前10時30分から豊作を祈願するおんだ祭が催行されました。祭りの主役の田作男(たづくりおとこ)が、拝殿向拝を神田(しんでん)に見立て、木型の牛をあやつって田を耕す所作を滑稽に演じます。参拝客の間から笑いが巻き起こり、その笑いが豊作につながると言われます。
京こま雀休。
車にデザインされた書鎮のようなものでした。独楽の説明書きを押さえる役目のようです。ご主人にお伺いしましたが、これは商品ではありませんのであしからず(笑)
暦の七十二候では、新暦の2月4日~8日の期間を東風解凍(はるかぜこおりとく)とします。東風が厚い氷を解かし始める時節柄という意味合いです。
ちょうどこの時期は、稲荷神社の初午祭に当たります。
歴史を紐解けば、稲荷大神が京都伏見の稲荷山に降りたのが和銅4年(711)の2月の初午の日だったと伝えられます。商売繁盛や家内安全を祈願しながら、皆で春の訪れを祝います。
今年も登場した新作の三連独楽。
ご主人のお話によれば、近い将来には五重塔の京こまが誕生するかもしれないとのこと。これは楽しみにお待ちしましょう(笑) 素人目に見れば、あと二段重ねればOKと考えてしまうのですが、そう簡単なものではないのでしょう。より日本らしい、外国人観光客を喜ばせるような風情と歴史を感じさせる独楽の誕生を待ち侘びます。