桜井市穴師に常善寺(じょうぜんじ)というお寺があります。
宗派は浄土宗で、ご本尊は阿弥陀如来のようです。
相撲神社や穴師坐兵主神社へ向かう坂道の途中を右折します。丘陵上にある春日神社の境内を抜け、下って行った先にありました。
常善寺山門。
寺号標に「浄土宗常善寺」と刻み、その横には五輪塔が建っています。十三重石塔らしきものも見えて”寺観”が整います。お寺の山号は「巻向山」のようです。
アクセス途中に望む大和の絶景!お堂が建ち並ぶ境内
常善寺の境内には段差があります。
山門から上手に観音堂などのお堂が建ち並び、さらに多くの石仏も祀られていました。
上手の春日神社から下り、常善寺の山門へ向かいます。
穴師という地名から、鍛冶技術に長けた部族が住み着き、武神を祀った場所というイメージが湧きます。
春日神社の鳥居を抜け、常善寺へと続く坂道。
かなり急峻な場所ですね。
景色が素晴らしい!
少しずつ左奥へずれながら、箸墓古墳、耳成山、畝傍山が重なります。
万葉集に詠われた大和三山と、卑弥呼の墓伝説が残る箸墓古墳。古代大和の風景をそのまま眼下に収めます。これは贅沢な時間です。常善寺参詣のご褒美と言ってもいいでしょう。
常善寺の境内へ入ると、観音堂の前へ出ました。
数多くの地蔵石仏も見られます。
観音堂右手には新しいお堂が建ちます。
中を覗くと、阿弥陀如来と思しき立像が祀られていました。
綺麗に整った境内。
穴師にこんな場所があるとは初めて知りました。やはり歩いてみるものですね。車で行き来していたのでは見過ごしてしまいます。
こちらは子安地蔵を祀ります。
右手に錫杖、左手には赤子を抱え上げます。二人の幼児が裾にしがみつき、慈愛に満ちた表情のお地蔵さんが前を見据えます。左端の祠の中も覗いてみましょう。
不動明王ですね。
摩耗が進んでいますが、わずかに右手の降魔剣が確認できます。波打つ光背の輪郭は、燃え盛る火焔を表しているのでしょう。
時の流れを感じさせる石仏。
なかなか味のあるお寺です。
常善寺の案内看板。
相撲神社へ上がって行く道沿いに、矢印の付いた看板が立っています。常善寺の納骨は宗派を問わないようですね。ここから約100mの距離と出ています。
短い階段ですが、ちゃんと手摺りも付いています。
十三重石塔の基壇には仏が刻まれていますね。四方仏でしょうか。
こういうのを大和棟(やまとむね)と言うのでしょうか。
穴師周辺には高塀造(たかへいづくり)の古民家が散見されました。
自分の足で巡ってこそ、出会える風景があります。旅行ガイドには掲載されていない場所を訪ね、再発見の喜びに浸るのも旅の楽しみですね。