橿原市飯高町にある瑞花院(ずいけいん)を訪れて参りました。
立派な室町時代の本堂が残されていることを耳にしていたのですが、瑞花院にお参りするのは今回が初めてです。以前から飯高(ひだか)町の地名は道路案内で目にしていました。瑞花院のある場所ですが、京奈和自動車(大和御所道路)・橿原北インターチェンジの西側に当たります。今回私は、近くのパチスロ店に車を駐車して向かうことに致しました。
瑞花院本堂。
方五間の寄棟造で、明治40年に国の重要文化財に指定されています。
興福寺十六人衆のひとり飯高氏の菩提寺とされ、元は吉楽寺という名のお寺でした。京奈和自動車道の近くに、こんなに立派な木造建築物があったとは思いもしませんでした。
子部神社や橿原市飯高児童公園の近くに建つ本堂
土地勘の無い場所でもあり、あちこち彷徨いながら瑞花院に辿り着きました。
詳しいアクセスルートは割愛させて頂きますが、ケーズデンキやパチスロ店『FACE860』の西側に位置します。大型店舗からもさほど離れていませんので、西側の辺り一帯を歩いていればその内見つかるでしょう。
山門をくぐると、向こう側に瑞花院本堂が見えてきました。
ちょうど横のアングルになりますが、本堂からせり出しているのは向拝(ごはい)ですね。手前の塔は十三重石塔でしょうか。
反対側の敷地から本堂を見ます。
ボール遊び禁止の看板が立っています。塀よりこちら側は瑞花院の隣にあった子部神社の境内です。子部神社から瑞花院へは、公園を経由してぐるりと回り込む形になります。
橿原市飯高児童公園。
子部神社境内から児童公園入口へとつながっていました。
公園の敷地内に立つ瑞花院本堂の案内板。
塀を背にする格好で、重要文化財の本堂が詳細に解説されています。
児童公園側から瑞花院本堂を望みます。
何とも不思議な構図です(笑) というのも、本堂のすぐ前には生垣や墓が迫っていて、大きな本堂をカメラに収めることがなかなか難しいのです。この位置からだと、ごく自然にフレームの中に収まります。
お寺の隣りに子供たちの憩いの場がある。
なぜかほっとする光景です。三重塔で知られる広陵町の百済寺もちょうどこんな感じだったことを思い出します。
瑞花院の山門。
寺号標も見られますね。山号は祐禅山のようです。
祐禅山瑞花院吉楽寺。
本堂からは嘉吉3年(1443)に上棟したことを記す棟札が見つかっています。
ちょっとタイミングが悪く、ゴミ出しの最中だったようです(笑)
近鉄真菅駅からだと、徒歩20分弱で瑞花院にアクセスできるようです。真菅駅といえば、蘇我氏ゆかりの宗我都比古神社を想起します。宗我都比古神社は駅からすぐの立地ですが、瑞花院はさすがに少し離れているようです。
迫り出す向拝。
参拝客が雨に濡れないようにするためとも言われますが、寺社建築ではよく目にする光景です。
この寺号標はまだ新しいもののようです。
瑞花院は浄土宗のお寺ですが、本堂内の拝観はできるのでしょうか。特別拝観という形でもいいので、いつか拝見させて頂きたいものです。
おや?
山門に仏名会の案内が出ていました。
年末の12月27日に執り行われるようです。法話も13時30分から拝聴することができます。この機会に訪れれば、おそらく本堂内に入れるのではないでしょうか。残念ながら私は、年末の仕事に追われているタイミングです(笑)
帰り際、塀の外から本堂を望みます。
境内にはたくさんのお墓が建てられていました。
これは瑞花院の寺紋でしょうか。
墨坂神社で見た「右離れ立ち葵」の逆バージョンですね・・・ということは、「左離れ立ち葵」か?
葵紋であることに間違いはなさそうです。
本瓦葺の美しいライン。
迫り出す向拝へと続く部分が印象的ですね。
瑞花院本堂を後にして、駐車場へと引き返します。
今まで私は、お寺の名前を「瑞花院(ずいかいん)」だとばかり思っていましたが、正しくは「ずいけいん」と言います。知っている人でないと、正確な発音は難しいでしょう。「ずいけいいん」或いは「ずいけいん」と発音するようです。
ここは飯高町。
お寺の近くにはソーラーパネルが設置されていました。周りに高い建物が無いためか、日当たり良好です。
瑞花院近くのパチスロ店。
庶民の暮らしのすぐ近くに、室町時代の重文が控えています。
奈良県内では奈良市に次いで都会のイメージがある橿原市ですが、まだまだ歴史ある建造物も残されていたのですね。