薬師寺が誇る国宝の薬師三尊像。
その中央に坐す薬師如来像の台座模型が、與樂門近くの東僧坊で展示されています(2011年3月執筆)。
薬師寺の薬師如来台座。
金堂に安置される実物の台座は、北側(玄武側)しか見ることができません。残念ながら、東(青龍)、西(白虎)、南(朱雀)方向は拝観することができないのです。
インド伝来の力神裸像「蕃人」!龍宮造りの薬師寺金堂
東僧坊は法話の行われる場所です。
東僧坊に展示されている台座模型なら、東西南北全ての方角から薬師如来台座を鑑賞することができます。
奈良時代における世界の文様が集約された薬師如来台座。
一番上の框(かまち)にはギリシャの葡萄唐草文様が描かれています。
日本料理の世界においても、唐草文様には親しみを感じます。お造りのツマとしてあしらわれる唐草大根は唐草文様を模したデザインです。
葡萄唐草文様の下には、ペルシャの蓮華文様(れんげもんよう)が見られます。東西南北各面の中央には、インドから伝わった力神の裸像が浮き彫りにされています。蕃人(ばんじん)と呼ばれる裸像ですね。
北の守護神「玄武」。
飛鳥の高松塚古墳壁画ではおなじみの玄武。
薬師寺のご本尊の下にも描かれていたんですね。シルクロードが奈良まで伸びていた証です。
法相宗大本山薬師寺。
2011年度の今春、東塔特別入堂拝観や西塔内陣特別拝観が行われます。
こちらは西の守護神「白虎」ですね。
美術鑑賞にはうってつけの価値ある素材です。
薬師寺の写経の様子。
奈良の写経道場といえば、誰もが薬師寺を思い浮かべるのではないでしょうか。
日本最古の写経道場は京都の雲龍院だと言われていますが、薬師寺は日本一人気のある写経道場ではないか・・・そんな風に思ったりもします。
薬師三尊像が安置される金堂。
龍宮造りと呼ばれる華やかな出で立ちです。
薬師寺参詣の際には、薬師如来台座をじっくり鑑賞しておきましょう。