吉野川沿いの巨木・土田のケヤキ。
国道169号線を吉野方面へ向けて南下します。桧垣本を通過して「土田」の丁字路に突き当たります。土田のケヤキですが、そこを左折して越部駅の方へ向かいます。
大淀町土田にある「土田のケヤキ」。
地名は土田(つちだ)と読みますが、ケヤキの方は「つった」と発音するようです。近鉄吉野線の線路近くに根を下ろしていました。見学の際は、電車が来ないことをよく確認するようにしましょう。ケヤキのすぐ東側には近鉄越部駅があります。
畝火山口神社の水取り神事が行われる吉野川!樹齢700年の巨木
土田のケヤキは吉野川の北岸に生えていました。
高さ15m、幹周り8mの巨木です。毎年7月26日になると、樹下の吉野川で畝火山口神社の水取り神事が行われます。近鉄越部駅から徒歩5分ほどの距離です。
ケヤキの脇には、住吉稲荷大明神が祀られていました。
猛スピードで通過する近鉄電車!これは注意が必要ですね。遮る物は何も見当たりません。よく五感を研ぎ澄まして、自分の身は自分で守るようにして下さい。
正一位住吉稲荷大明神と土田のケヤキ。
神武天皇(あるいは神功皇后)お手植えとも伝わる名木です。初夏に訪れたこともあり、元気に青々とした葉を付けていました。
近鉄吉野線の越部駅。
国道から少し南へ入った所にあります。車を走らせていると、気付かずに通り過ぎてしまうでしょう。そのぐらい細い道です。今回私は、この先のコメリでハンドタオルとキッチンペーパーを購入して駐車場を利用させて頂きました。そのまま来た道を戻ります・・・。
越部駅からさらに西へ、民家の脇を抜けた先にありました。
この線路を渡り、ようやく土田のケヤキに到着です。
国道沿いには大淀越部郵便局もあります。
こちらは大淀町コミュニティバスのバス停です。
よどりバスの「越部駅」ですね。
近鉄越部駅。
ここから一旦国道へ出て、西へ向かいます。
越部駅周辺には、土田のケヤキの他にも越部ハサマ遺跡、越部古墳、土田遺跡などがあるようです。国道の北にある越部ハサマ遺跡を目指しましたが、見つけることが出来ませんでした。道行く地元の方に聞いたのですが、ご存知ではありませんでした。さほど知られていない遺跡なのでしょう。
場所が場所ですね(;^_^A
すぐ下には、かなり流れの早い吉野川が!雨の後も影響しているのか分かりませんが、なかなかの急流でした。赤い幟旗と緑の葉が美しいコントラストです。
土田のケヤキ案内板。
このケヤキは、本町を東西に流れる紀ノ川(吉野川)の北岸にあって、幹の根元が河川敷の堤防へとりつくように立っている。
その高さは約15m、胸の高さで測った幹周りは約8mで、かつては枝の広がりも東西約40mあったが、台風等の影響により、4本に分かれた幹のうち3本が倒れ、残る一つの幹が東南方向に枝を伸ばすのみとなっている。ただし生育は良好で、夏の到来とともに青々とした葉をつけ、我々の目を和ませてくれる。
この付近は、かつて樹の下に吉野川が流れていたことから、ケヤキガウラ、もしくはケヤキガフチと呼ばれた。例年7月26日には、樹の下の川岸で畝火山口神社(橿原市)の水汲み神事が行われている。神事では、2本の竹と注連縄で結界された川岸の水汲み場の前で、畝火山口神社の宮司が祝詞をあげたのち、川の水が汲みあげられる。この水は、同月28日に行われる同社の祭礼(お峯のデンソソ)で用いられる。
このケヤキは、奈良県内でも有数の巨樹であり、学術的にも、民俗学的にもきわめて貴重であることから、平成15年2月10日、町指定天然記念物となった。
平成23年3月 大淀町教育委員会
お稲荷さんの左横に土田のケヤキ。
槻(けやき)の推定樹齢が700年ですから、もちろん線路は後で引かれたことになります。意外にも疾走感のある穴場スポットでした。
扁額の「正一位住吉稲荷大明神」。
調べてみると、伊勢市や豊中市にも同名の神社があるようです。
稲穂の御神紋も見られますね。
水取り神事で汲み上げられた神水は、「お峯のデンソソ」と呼ばれる夏祭りに使われます。畝火山口神社の夏祭りですが、無病息災や豊作を祈願します。きっと五穀豊穣の稲穂とも関係があるのでしょう。
見事な巨樹ですね。
枝にも勢いを感じます。
社殿の裏に回り込みます。
掃除道具が吊るされていますね。地域の方々によって守られているのでしょう。
根元の部分。
幾歳月を乗り越えてきた逞しさを感じます。
鳥居の柱の「土田区」。
電車の気配を感じ、すかさずカメラを向けます。
越部駅方面へ向かう近鉄電車です。
吉野川の方へ下りてみます。
堤防に寄り添うような格好でした。
何かこう、色んなものが上書きされた跡のようです。
歴史の積み重ねとは、一筋縄ではいかないものです。大木を見て圧倒されるのは、大きさもさることながら、人の一生を遥かにしのぐ時の積み重ねなのでしょう。到底及ぶはずもありません。
樹下を流れる吉野川。
音を立てながら、かなりの勢いで流れていました。
下から見上げる土田のケヤキ。
やはりこのアングルが物語っていますね。
国道沿いの民家。
煙出しの民家の右横に細い道が通っています。この路地の先に土田のケヤキがあります。
その前には、セレモニーホールの駐車場がありました。
令和5年度、現時点での目印になるでしょうか。行き方が少し難しい土田のケヤキですが、近鉄越部駅の西側、そして吉野川沿いと覚えておきましょう。