明治天皇玉座跡に植えられた飛火野の大楠

春日大社の表参道脇に大きな木が植えられています。

「飛火野の大楠」と呼ばれる巨樹で、明治天皇の玉座跡に植樹されたことで知られます。その生命力あふれる枝振りは立派の一言に尽きるのですが、実はこのオオクス、一本の木ではなく三本の木で構成されています。

春日大社の大楠

右へ左へと豪快に枝を伸ばす大楠。

巨樹の前に石碑が建っていますが、どうやらあの辺りが明治天皇の玉座跡のようです。

楠(くすのき)は大木になることでよく知られます。長谷寺の御本尊も楠の霊木で造られていますし、奈良豆比古神社の裏手にも御神木の楠がそびえています。渋いところでは、忍坂山口坐神社の楠も実に見事です。元来、防虫効果のある楠には悪いものが寄り付かないのかもしれません。神社やお寺の境内に楠が生えているだけで、邪悪なものの侵入を防いでいるのでしょう。

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春日大社境内に聳える樹齢100年の大木

飛火野は春日大社の境内地に当たります。

広々とした野原が広がり、御蓋山の遥拝スポットとしても有名です。そんな場所に、見事な枝を伸ばす巨樹が参拝客の目を引き付けています。明治天皇ゆかりの場所に植えられた木です。もうそれだけで有難い気持ちになるのかもしれませんね。

春日大社の大楠の案内板

飛火野の大楠の案内板。

樹高23.5m 幹周4.83m

遠くから見ると、一本の巨樹に見えるが、実際は三本のクスノキであり、樹齢は約百年とされる。

明治41年(1908)に奈良県で行われた陸軍の大演習に際して、飛火野で催された饗宴に明治天皇が臨席され、その玉座跡に記念植樹されたのがこの木である。

春日大社の大楠

身をくねらせながら、しっかりと根を下ろすクスノキ。

三本の木が寄せ集められていることが分かりますね。

イチイガシ群生

奈良市指定文化財 春日大社境内のイチイガシ巨樹群。

春日大社が創祀された頃、御蓋山の麓から飛火野にかけて、イチイガシを優占種とする照葉樹林が広がっていたと言います。境内には今もイチイガシの巨樹が多く生育しており、学術的にも大変貴重とされます。

飛火野

表参道の方向を見ます。

うん?これは何でしょうか。ひょっとすると、大とんどの際の火炉が置かれる場所かもしれませんね。

無病息災や招福を願って毎年行われる春日大社の大とんど。境内の飛火野に高さ3メートルの火炉が設置され、古いお札やお守り、注連縄などが厳かに焚き上げられます。

大とんどで使われた火は、そのまま若草山焼きの種火にもなります。

飛火野での御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい)に続いて聖火行列が出発し、水谷神社での松明点火、野上神社の野上神社祭典、若草山一重目山頂での大花火打ち上げと進み、最後には山焼き一斉点火が行われます。

春日大社の大楠

雪消の沢付近から大楠を望みます。

かなり遠方からでも、樹齢100年の重みを感じさせます。

春日大社の大楠

明治天皇玉座跡の石碑。

天皇がご臨席された聖なる場所です。

パワースポットに立つ大木と言えるのではないでしょうか。

そう言えば、春日大社の若宮社前にも楠の巨樹があったのを思い出します。「若宮の大楠」と呼ばれる御神木の幹周りは約11.5mで、奈良県下1,2を争う巨樹として知られます。