奈良の巨木・巨樹めぐりも面白いものです。
古道紀行で知られる忍坂街道。
朝倉台の下手にある「信夫が丘」バス停近くに鎮座する忍坂山口坐神社境内に大きな楠があります。
忍坂山口坐神社の楠(クスノキ)。
かの有名な、京都金閣寺の天井板に使われたという逸話が残る巨木です。
延喜式内社の山口神社
奈良県内には数多くの山口神社があります。
桜井市内にも木材の守護神・石寸山口神社が祀られ、長谷寺へ続く参道沿いにも長谷山口坐神社が鎮座します。
忍坂山口坐神社の境内。
参道左手に大きなクスノキが聳え立ちます!
大楠の根幹部分。
いや~、見事ですね。見ているだけで吸い込まれそうな迫力があります。
忍坂山口坐神社の案内板。
延喜式内社・山口神社は全部で14社で、うち13社まで県内にあります。
そのうち飛鳥・石寸・長谷・畝傍・耳成・忍坂の山口神社が最も大切に祀られてきました。
ここの2代目楠の木は巨樹として有名ですが、初代楠の木は室町時代に京都の金閣寺を建立する時、天井板として利用されたと言い伝えられ、その時倒れた先が隣村の忍坂まで届いたので、今も「木の下」という地名が残っています。
隣村まで届いたという巨木!
初代大楠の偉容が頭に浮かびますね。
忍坂山口坐(おっさかやまぐちにいます)神社。
足利義満が京都北山の地に金閣寺を造営する際、天井板を一枚張りにしたいという意向から、それにかなう木を広く探させたと伝えられます。
そこで、柳本藩領だった旧城島村赤尾に鎮座する、忍坂山口坐神社のクスノキに白羽の矢が立てられたというわけです。
歴史はあざなえる縄のごとし・・・ですね。
現在境内に聳える楠は二代目ですが、初代楠はどれほどのサイズだったのでしょうか。
観光客もまばらな忍阪の地と金閣寺が結び付くとは意外です。
大きく成長する楠(くすのき)。
様々な種類の木の中でも、クスノキの巨樹は数多く見られます。身近なところでは、春日大社飛火野の大楠などもそうですね。