慶雲3年に建立!法起寺三重塔

斑鳩の里にそびえる法起寺三重塔。

天武天皇13年(684)に着工され、慶雲3年(706)に完成した日本最古の三重塔です。

三輪山の麓に住まう私にとって、「日本最古」という呼称には慣れ親しんだものがあります。日本最古の道が山の辺の道であり、日本最古の神社は大神神社とされます。ここ斑鳩の里の法起寺三重塔は日本最古の三重塔であると同時に、我が国が誇る国宝でもあります。

法起寺三重塔

法起寺三重塔。

飛鳥時代の建築様式が見られ、法隆寺と同じく卍くずしの高欄を持ち合わせます。

五重塔は見上げると相当な高さになりますが、目の前の三重塔の高さは24mです。さほど高くもなく、十分に視界に収めることができました。

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東に塔、西に金堂の法起寺式伽藍配置

創建以来、兵火による荒廃が進んでいた法起寺。

江戸時代に残っていたのは三重塔のみであったと言います。

真政圓忍律師の発願によって三重塔が修理され、その後、元禄7年(1694)に本堂、文久3年(1863)には聖天堂が建てられ、現在の寺観となりました。

法起寺山門

法起寺は聖徳太子の岡本宮があった場所に建立されています。

法起寺の住所は奈良県生駒郡斑鳩町岡本1873で、地名にも岡本の名前が付いています。岡本寺、あるいは池後尼寺(いけじりにじ)と呼ばれていた時代もあったようです。

奈良観光の双璧といえば、東大寺と法隆寺ということになりますが、斑鳩の法隆寺を訪れたなら、法隆寺から徒歩圏内にある法起寺は必ず参拝しておきたいところですね。

法起寺三重塔とコスモス

法起寺三重塔とコスモス

私が訪れた時はコスモスの季節ではありませんでしたが、わずかばかりのコスモスが境内に咲いていました。毎年秋にはコスモスの名所として数多くの参拝客が詰め掛けます。

往時の境内の様子ですが、発掘調査により金堂が西、塔が東の配置であったことが判明しています。この伽藍配置は法隆寺とは逆で、同様の位置取りの寺院は「法起寺式伽藍配置」と呼ばれるようになりました。

法起寺講堂

法起寺講堂も見えますね。

講堂にはご本尊の十一面観音菩薩立像が安置されていましたが、現在は境内の収蔵庫に移されています。

法起寺の十一面観音様は平安時代に造られた仏像で、杉の自然木から彫られた立木仏です。国の重要文化財にも指定されている仏像ですので、ご参拝の際は是非拝観されることをおすすめします。

貝多羅葉樹

法起寺の拝観受付で、係の方から貝多羅葉樹(ばいたらようじゅ)の葉っぱを見せて頂きました。

拝観受付の傍らで、珍しいハガキの木を見ることができます。葉っぱの裏側に、先のとがったもので文字を書くことができます。参拝記念に一枚の貝多羅葉樹を頂いて、私も恐るおそる文字を書いてみました。今もなお、机の引き出しの中に保管しているのですが、その文字は消えることなく残っています。紙の無かった時代に、貝多羅葉樹が重宝されていた歴史に想いを馳せます。

そういえば、長谷寺の門前の法起院にもハガキの木がありましたよね。

法起寺三重塔

聖徳太子が法華経を講じた岡本宮に創建された法起寺。

聖徳太子の皇子に当たる山背大兄王が太子の遺言によって建立したお寺と伝えられます。

法起寺の拝観料は300円。

法起寺へのアクセスは、近鉄橿原線郡山駅よりバス法隆寺前行き法起寺前下車すぐとなっています。法隆寺~中宮寺~法輪寺~法起寺と斑鳩の里を散策しながら楽しむのもおすすめです。

<斑鳩周遊観光案内>

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