法輪寺をご案内致します。
法輪寺は推古朝の末期、聖徳太子の病気平癒を祈願して山背大兄王が建立しました。
山背大兄王といえば、聖徳太子の長子に当たる人物ですよね。
立地的には、法隆寺と法起寺の間に位置します。
法隆寺五重塔、法起寺三重塔と並んで、法輪寺三重塔は斑鳩三塔の一角を担います。
3つの塔の中では最も地味ではありますが、飛鳥時代の建築様式を今に伝えています。
落雷で焼失した法輪寺三重塔
法輪寺三重塔。
国宝にも指定されていましたが、昭和19年の落雷により焼失。
現在の三重塔は、昭和50年に再建されたものです。
法輪寺の門をくぐってすぐ左側に三重の塔があります。
右側には金堂があり、向こう正面には講堂があります。
塔、金堂、講堂の伽藍配置は法隆寺のそれと全く同じです。
法輪寺の金堂。
なんとはなしに法隆寺の金堂と形が似ていますよね。
斑鳩の三塔巡りの中でも、法隆寺のミニチュア版を感じさせます。
規模的には、法隆寺西院伽藍の3分の2の大きさのようです。
発掘調査で出土した鎧瓦や宇瓦の文様も、法隆寺のそれと類似しているようです。
聖徳太子ゆかりの法隆寺と、聖徳太子の病気平癒を願って建てられた法輪寺に共通点が多いのも頷けますよね。
法輪寺の駐車場にあった周辺地図。
法輪寺には駐車場があります。
小さな駐車場ですが、無料で利用できますので重宝します。
法輪寺は三井寺とも呼ばれています。
法輪寺境内の後方にある三井集落の中には、聖徳太子が開井した三井の井戸があります。飛鳥時代の遺構として、今も太子ファンの間では人気があります。
法輪寺の近くには、ゴルフ場の法隆寺カントリー倶楽部もあります。
ゴルフ場があるぐらいですから、いかにも郊外といった感じのエリアです。
法輪寺の瓦。
法輪寺には、飛鳥時代や平安時代の仏像が数多く納められています。
仏像といえば、普通は金堂内に安置されています。
しかしながら、ここ法輪寺の仏像は講堂内に安置されています。
重要文化財に指定されている薬師如来坐像。
飛鳥寺時代後期の作と推定される仏像です。
元は金堂のご本尊でした。
この薬師如来坐像は、法隆寺金堂の釈迦像によく似ています。
法輪寺の講堂。
この中に薬師如来坐像は納められています。
この他にも、顔と手足の大きい虚空菩薩立像も安置されています。
下腹を前に突き出すスタイルは、百済観音を彷彿とさせます。
講堂の拝観料は400円です。
アクセスはJR法隆寺駅から奈良交通バス法隆寺門前行きで4分、中宮寺前バス停から徒歩15分となっています。
斑鳩観光に訪れたなら、法輪寺の質素な佇まいを是非味わってみてください。