紫の語源

紫の語源は、群がって咲く花の色に由来しています。

紫という言葉の起源を辿れば、「ムラ(群ら)+サキ(咲き)」に行き着きます。

鴨都波神社の紫陽花

御所市の鴨都波神社境内に咲く紫陽花

群がって咲くといえば、紫陽花や藤の花を連想します。総状花序の花を咲かせる紫陽花や藤には、紫色のものが多いですよね。

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紫陽花と紫色の深い関係

紫陽花や藤が紫色の花を咲かせるのに対し、野草の紫(ムラサキ)は夏に白い花を咲かせます。

多年草のムラサキは、古来より武蔵野の名草として知られ、その根は紫色の染料に用いられました。根が紫色だからムラサキという名前が付けられていますが、実は花の色は白色なのです。

三輪山麓の紫陽花

三輪山麓に開花する紫陽花。

やっぱり紫陽花とくれば、まずは紫色をイメージします。

話は変わりますが、プリンスの名曲に「パープルレイン」というナンバーがありました。実際に紫色の雨が降るわけではないと思われますが、どことなく日本人的感覚からすると、紫色~紫陽花~雨という連想が生まれます。

数年前の秋に薬師寺を拝観した際、紫式部の実を観賞したことを思い出します。紫式部の実も、枝に群がって付いていました。紫という色に、「群がる」というイメージが重なります。

鴨都波神社拝殿

鴨都波神社拝殿と狛犬。

群がって咲く・・・故に紫。

そう考えれば、蓮華の花なども紫(むらさき)という言葉の語源になっているような気がして参ります。

日本武尊白鳥陵の紫陽花

日本武尊白鳥陵と紫陽花。

紫陽花の花に限らず、花は観ていていいものです。心が華やいだり、落ち着いたり、日常生活に無くてはならないものの一つではないでしょうか。

花の語源は「著しく目立つ」ことに由来しています。私たち日本人は、もっと大和言葉を大切にしなければならないと思うのですが、外来の漢字に支配されてやや頑なになっているような気が致します。

花は「鼻(ハナ)」や「端(ハナ)」にも通じています。鼻は顔の中の目立つ場所にありますし、端(ハナ)は物事の発端や端緒を意味する言葉でもあります。

群がって咲くから紫。古代、高貴な色とされた紫の語源を再確認しておきましょう。

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