大神神社の拝殿で「三花懸魚(みつばなげぎょ)」を見つけました。
三つの花が咲いたように見えるデザイン。鎌倉後期以降の建物に見られる意匠として知られます。大神神社拝殿は1664年に建立された重要文化財です。
上方の軒下に見えるのが三花懸魚。
唐破風屋根の軒下に下がるのは、兎毛通懸魚(うのけどおしげぎょ)でしょうか。
三花懸魚は鰭(ひれ)付きの意匠が大半を占めますが、大神神社の懸魚も両サイドに広がる鰭付きになっていますね。
蕪懸魚、猪目懸魚、梅鉢懸魚!懸魚の種類
大神神社参道の真正面に建つ拝殿。
その拝殿に施す意匠が一番目立ちますが、他の建物にも数多くの懸魚が見られます。
こちらは鰭付きの蕪懸魚。
カブラの形に似ているところから蕪懸魚(かぶらげぎょ)と呼ばれます。懸魚の中では、最も多い種類のようです。火難除けのまじないとして寺社建築に施されている懸魚ですが、この他にも猪目や梅鉢を見ることができます。
猪目懸魚。
ハート型にくり抜かれた穴が、猪の目を連想させます。
猪目懸魚(いのめげぎょ)は、蕪懸魚に次いで多くみられる種類です。
梅鉢懸魚。
家紋の梅鉢紋(うめばちもん)に由来する懸魚として知られます。
五角形の輪郭が特徴的ですね。
大神神社参拝の際には、建築デザインの懸魚に焦点を当ててみるのも面白いかもしれませんね。