多神社拝殿の懸魚

古代豪族多氏の祖神を祀る多神社。

田原本町の飛鳥川畔にある古社で、延喜式神名帳の式内大社に名を連ねます。

そんな多神社の拝殿で面白い懸魚を見つけました。

多神社拝殿の懸魚

多神社拝殿の懸魚。

珍しい形です。

基本的には蕪懸魚を三つ合わせた三花懸魚なんですが、くり抜かれた穴の形が特徴的です。

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懸魚は火難除けのおまじない

寺社建築でよく目にする懸魚(げぎょ)。

屋根の妻の部分に見られますが、そもそも懸魚を取り付ける理由は火難除けです。木造建築の多いお寺や神社。歴史を振り返っても、数多くの建築物が火難の憂き目に遭ってきました。

多神社本殿

多神社の本殿。

四柱の御祭神を奉ります。

懸魚の形はズバリ、魚の尾っぽなんです。

尾びれを下にして垂れ下がったような格好をしています。魚は水を連想させ、そのまま火を消すことにもつながります。水は火よりも強く、そんな洒落から作られています。

多神社拝殿

懸魚にも色々な形がありますが、猪目懸魚と蕪懸魚が最もポピュラーです。

多神社拝殿の懸魚は、どこか三十八柱神社(桜井市大福)の懸魚に似ています。そう、UFOが飛んでいるかのような形です。

三十八柱神社!推古天皇小懇田宮跡
桜井市大福にある三十八柱神社という、興味深い名前のお社があります。読み方は「みそやはしら」です。三十八柱神社の御由緒。推古天皇の小懇田宮があった場所とされる三十八柱神社。推古天皇のお宮を巡っては、明日香村豊浦の豊浦寺跡付近という説もあります...

ハート型の猪目懸魚に見慣れていると、やはり新鮮な驚きを隠せません。

懸魚探しの旅は興味が尽きませんね。

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