今年も各所で紫陽花を楽しんで参りましたが、きよめの滝周辺の紫陽花をご紹介致します。
きよめの滝の場所ですが、狭井神社手前の市杵嶋姫神社裏手の道を回り込んだ所に当たります。普段は参拝客の姿もまばらな場所です。きよめの滝は行場としても知られており、三輪山登山の前後に滝に打たれる人の姿も見受けられます。
きよめの滝の休憩処と紫陽花。
梅雨時は大神神社のささゆりに注目がいきがちですが、一歩足を伸ばせば三輪山麓にも紫陽花が咲いているのです。私の幼少時には、この辺りで昆虫採集を楽しんだ記憶があります。大人の世界では神聖な行場だったのでしょうが、小さい子供にそんなことは関係がありませんでした(笑)
山ノ神遺跡手前に広がる紫陽花園と大神神社の写典体験
以前にこの場所を訪れた時は、既に見頃を過ぎていました。
辰五郎大明神や山ノ神遺跡にも程近く、遺跡見学のついでに立ち寄ってみるのもいいのではないでしょうか。
「あじさい園」と銘打ってはみましたが、人の手が加わっている様子はなく、どちらかと言えば野放しに近い自然のままの紫陽花フィールドが満喫できます。
広い原っぱの周りに紫陽花が咲いています。
背後の杜から光が差し込み、まるで舞台上のように紫陽花を照らします。訪れたのは6月下旬でした。満開を少し過ぎたタイミングだったのかもしれませんが、まだまだ見頃の紫陽花を楽しむことができました。
大神神社の参道を上がって行くと、駐車場前で交通整理に追われるガードマンに出会います。ここ最近、週末はいつもこんな感じですね。二の鳥居前の駐車場は既に満車状態でした。ガードマンの手前で止められ、ずらりと駐車待ちの車が列を作っていました。
週末は特に思うのですが、大鳥居近くの駐車場に車を停めて、そこから徒歩で参道を上がって来る方がいいかもしれません。
大神神社の写典の間。
大神神社勅使殿にある写典の間です。
大祓詞(おおはらえのことば)等のお祓いの祝詞を、心静かに書写する場所です。祝詞を浄書した後は、写典を神前に供えて拝礼します。基本的には毛筆書写ですが、硬筆の冊子も一種類用意されているようです。
写典体験の初穂料は2,000円です。
写典体験の時間は午前9時から午後4時までで、体験時間は祝詞の長短によって30分、1時間、2時間と異なります。当日受付で、持ち帰りもOKとのことです。こういう体験を通して、神様を感じてみるのもオススメです。
狭井神社の鳥居手前を左に曲がってしばらく進むと、元伊勢の檜原神社を案内する札に出くわします。
ここで道は二手に分かれており、左に取れば山の辺の道(檜原神社方面)、右に向かえば紫陽花の穴場スポット(きよめの滝、辰五郎大明神方面)へと続いています。
右に取って進むと、鞠状の紫陽花が垂れ下がっているのが見えてきます。
アクセスルートの途上で紫陽花に出会い、益々目的地への期待が高まります。穴場スポットへ向かう途中では、蛇体が絡み合う菊龍大神やお不動さんに手を合わせ、ここが聖域へ続く参道であることを再確認致します。
来ました、来ました。
ここが三輪山麓に広がる紫陽花の穴場スポットです。
う~ん、ちょっと見頃は過ぎているのかな・・・という正直な感想です。
この日は日照りが厳しかったこともあり、紫陽花本来の瑞々しさがイマイチ感じられませんでした。やはり紫陽花観賞は雨上がりのひと時が一番いいようです。
パワースポットがもてはやされる中、三輪山登山も日の目を浴びる昨今です。
特別な祭事の日でなくとも、週末になれば数多くの参拝客で賑わっています。
そんな大神神社周辺ではありますが、不思議とこのエリアだけはまだ聖域が守られているような気が致します。とにかく人の出入りが少ないのです。大神神社に参拝する人も、山の辺の道ハイキングを楽しむ人も、なぜかこのエリアにだけは足を踏み入れていないようなのです。
たまに迷い込んで来る人もいらっしゃるのでしょうが、それとて長居するわけではありません。
すぐに引き返して、参拝客で賑わう境内へと溶け込んでいきます。
ここは大神神社の宮司さんもよくお参りに来られるという山ノ神遺跡のすぐ近くです。そういう意味でも、侵されてはならない清浄な場所なのかもしれません。そんな ”場” に咲く紫陽花には殊の外、思い入れも強くなるというものです。
参集殿の祓団扇。
夏のおんぱら祭の時に配られる、花火のイメージと結び付く団扇ですね。
夏越大祓を6月30日に控え、拝殿前にも茅の輪がお目見えしていました。もうすぐ本格的な夏の到来ですね。
野に咲くあじさい。
古代信仰の形を残す大神神社に似つかわしい紫陽花ではないでしょうか。
岩船寺、矢田寺、久米寺などの紫陽花の名所に飽きたら、三輪山麓の紫陽花のように一味違った場所に出てみるのもおすすめですね。