割主烹従の意味

日本料理の世界に割主烹従(かっしゅほうじゅう)という言葉があります。

献立の中の花形としての刺身。

食材を切り割いてそのままの状態で食べる、いわゆる生もの料理が主体であることを意味する言葉とされます。では、その客体は何なのか?メインである生もの料理を引き立てるのが、煮物料理や焼物料理などの火を使った料理ということになります。料理の際の火加減は大変難しいものです。しかしながら、それにも増して主役の刺身を引く技術には奥が深いものがあります。

お造り

割主烹従の “主” に当たるお造り。

昭和の時代を生きた人たちは割烹着のことをご存知ですよね。炊事の際の仕事着ですが、あの割烹着の語源にも同じような意味が込められています。「肉を割(さ)き烹(に)る」に由来するのが割烹着なのです。つまり、割烹とは食物の調理であり、料理そのもののことを意味しています。

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関東の刺身に関西のお造り

当館の結婚披露宴においては、配席された折敷(おしき)の上に必ずのっているのがお造りです。

折敷の正面真向かいに置かれることから、向付(むこうづけ)と呼ばれることもあります。刺身そのもののことでもありますが、それを盛り付ける器の名称にもなっています。

お造り

刺身とお造りの違いは何なのか?

ふとそんな疑問が湧いて参ります。

中身は同じでも呼び方に違いがあるのです。どうやら関東地方では刺身、関西地方ではお造りと呼び習わしているようです。関東の刺身の花形が鮪であるの対し、関西の花形は鯛です。

皮を引いた時に出る鯛の美しい紅白模様は、婚礼料理にもよく似合っています。

大正楼の花嫁

刺身の造り方にも、引き造りとそぎ造りの2タイプがあります。

日本料理における刺身包丁は片刃です。刃の付いている方を「陽」、付いていない方を「陰」と呼びます。

陽で切るのが引き造り、陰で切るのはそぎ造りと言います。切り口にも違いがあり、そぎ造りはソフトな印象を与えますが、陽で引く引き造りはシャープで力強い印象があります。

大神神社の披露宴会場

大神神社の披露宴会場「大正楼」の会場装花。

料理屋などでは椀刺(わんさし)と言って、様々な献立の中でも特に椀物と刺身が重要視されます。当館における婚礼料理の椀物は蛤の潮汁と決まっています。当館では「捨て蛤」と言って、出汁を取るためだけの蛤も使用しています。椀の中に盛る蛤は夫婦和合を意識して2つになります。多くの捨て蛤を使って取る出汁は、蛤そのものの味わいに満ちています。

刺身

昔は一つの器に刺身一種というのが相場だったようです。

さすがに昨今ではあまり見られなくなりましたね。様々な種類の刺身が節盛りになっている方が豪華に映ります。

婚礼料理にも色々な一品料理が並びますが、間違いなくその主役はお造りだと思われます。

<刺身料理案内>

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