満開の花菖蒲を見に出掛けた馬見丘陵公園。
お目当ての菖蒲園に行く前に、ナガレ山古墳近くのあじさい園に足を運んで参りました。6月半ばということで、ほぼ満開の紫陽花を楽しむことができました。
あじさい園に咲く紫陽花。
馬見丘陵公園で紫陽花?と言う人もいらっしゃるかもしれません。一年を通して様々な花が開花する馬見丘陵公園にあって、紫陽花の影は薄いのかもしれません。春のチューリップ、夏のひまわり、秋のダリアなどは馬見丘陵公園を代表する花として知られます。しかしながら、紫陽花とくれば矢田寺や久米寺は思い浮かんでも、馬見丘陵公園まではイメージされないのが現状です。
見頃を迎えた紫陽花@中央エリアのだんだん広場
馬見丘陵公園のあじさいは園内の中央エリアに咲いています。
情報発信の場である公園館とナガレ山古墳の中間点ぐらいに位置しています。
あじさいの小径を含め、馬見丘陵公園のあじさい園に本格的に足を踏み入れたのは今回が初めてでした。思い返せば、6月から7月にかけて訪れたことがなかったのかもしれません。
だんだん広場に咲く満開のアジサイたち。
カメラ片手に写真を撮る入園者の姿があちこちに見られます。訪れてみて分かりましたが、あじさい園の紫陽花エリアは主に二ヵ所設けられているようです。ナガレ山古墳へと抜ける細い径の両側に花を開かせる ”あじさいの小径” と、芝生広場(だんだん広場)の周りに植えられた紫陽花スポットです。
実に広々としています。
開放的な緑の広場の周りで、見頃のアジサイが入園者の目を楽しませています。ちなみに春になると、だんだん広場では桜も開花するようです。
こちらの紫陽花は、ナガレ山古墳からあじさい園へと向かう途中で撮影致しました。
ちょうど道を挟んで、「水分広場」の前辺りになります。紫陽花の前にはロープが張られていて、中に入ることはできないようです。紫陽花の健やかな生育のためには、きちんとマナーを守って観賞したいものですね。
目の覚めるような綺麗なピンク色です。
紫陽花の色といえば紫や白を思い浮かべますが、鮮やかな桃色のあじさいも存在するんですね。
あじさい園の中ではありませんが、通りすがりの人もカメラのシャッターを切っておられました。
ちょうど通行人の方を向いて花を咲かせています。
桜の花も花見客のことを思って下向きに咲くと言いますが、見られる側の花もそれなりに意識しているのかもしれません(笑)
手毬状に豊かな花を咲かせています。
あじさい観賞が目的でなくとも、つい足を止めてしまう美しさです。
あじさいの小径からナガレ山古墳へ続くルート
馬見丘陵公園の紫陽花を堪能するには、道を塞ぐように咲き誇る「あじさいの小径」を外すわけにはいきません。
だんだん広場の紫陽花も開放的でいいのですが、右も左も紫陽花に包まれた自然のままのアジサイロードを歩いてみられることをおすすめ致します。
公園館へ辿り着く手前に、あじさい園を案内する道標がありました。
ここが紫陽花の花園への入口です。
さっそく出迎えてくれる紫陽花。
あじさいのことを四片(よひら)と言いますが、その形状を見れば納得がいきますね。
しばらく歩を進めると、右手に睡蓮の池が見えて参りました。
左手の道沿いには紫陽花が群れを成すように咲いています。池の水面には黄色く鮮やかな睡蓮が花を咲かせていました。だんだん広場は、この睡蓮の池のすぐ西側にあります。
様々な種類の紫陽花を楽しむことができます。
あじさいの小径では、アナベルやカシワバアジサイといった品種の紫陽花も咲いているようです。品種の見分け方は正直よく分からないのですが、公園館に足を伸ばせば、ガクアジサイとヤマアジサイの違いなどが案内されていました。ご興味のある方は是非どうぞ。
うっすらとグラデーションのかかった色合いが素敵ですね。
じとじとした梅雨の時期に、心地よい涼感が届けられます。
さらに歩を進めると、行く手左側に上方へと上がって行く階段がありました。
ここがどうやら「あじさいの小径」への入口のようです。
山の中へ入って行くような感じです。
さすがにこのポイントで躊躇してしまうのか、あじさいの小径ですれ違った人はいませんでした。ひっそりと静まり返る紫陽花ルートを、贅沢にも独り占めで楽しんで参りました。
毒へびに注意!
おっと、これは心しておかないといけませんね。夏の藪の中は危険がいっぱいです。
途中で ”傘堂” のような一本足の休憩処がありました。
毒蛇のことが頭にあったのですが、満開の紫陽花を見ているとついそんなことは忘れてしまいます。
やはり背景にこういうのがあると、それだけで風情が醸されます。
淡々と続く径ではありますが、ちょっとしたアクセントになっていますね。
細く長く続いていく紫陽花ロード。
数年前に訪れた矢田寺では、狭いエリアに迷路のように組まれた紫陽花の観賞エリアがありました。それと比べると、自然の地形を生かしていることが分かります。
径の両側から顔を覗かせる紫陽花。
時には覆い被さるように、まるで進路を阻むかのように咲き誇っていました。
いや~圧巻の光景です。
文字通り、”紫陽花の花道” が延々と続いていきます。
途中にはこんな休憩スポットもありました。
あじさいの小径から少し左手に上がって行く抜け道があって、そこには木のベンチが置かれていました。ここに座ってゆっくりしようかとも思ったのですが、何せ湿気の多い森林地帯です。蚊の存在が気になったので、そのまま引き返して歩き続けることに致しました。
しばらく進んで行くと、鬱蒼とした杜を抜けてナガレ山古墳の墳丘へと辿り着きます。
ここでなるほど!と合点がいきました。
あじさい園とナガレ山古墳はつながっていたんだ!広大な馬見丘陵公園の中のちょっとしたポイントを押さえたような気持ちになって、わずかな爽快感を味わうことができました。
ヒメジョオンの花が円筒埴輪の周りを彩ります。これほどの規模で復元された墳丘も珍しいのではないでしょうか。遠足や修学旅行の格好の学習スポットにもなっていると聞きます。
墳丘の右手に見える杜の中に、あじさいの小径が伸びています。
古墳と季節を彩る花々は、言わずと知れた馬見丘陵公園観光の呼び水でもあります。
再びナガレ山古墳からあじさいの小径を辿ります。
複雑に入り組んだ迷路のような街ナカで、道と道がつながった時の感動は誰しも味わったことがあるのではないでしょうか。そんな発見にも似た感動を味わわせて頂きました(笑)
花菖蒲を見に来たはずの馬見丘陵公園でしたが、すっかり紫陽花の美しさに魅せられてしまいました。
滞在可能時間の残りをチェックするために、スマホ画面に目を落とします。
大丈夫、まだ菖蒲園を見学するための時間は残されています。
それにしても鮮やかな色合いです。
こういうタイプの紫陽花を西洋あじさいのハイドランジアと言うのでしょうか。華やかさの点においては、日本古来の紫陽花の上をいくものと思われます。
段々と倒れ込むように咲いています。
こうして見てみると、結構背丈もありますね。
この階段を下れば、あじさいの小径も終わりです。
視線の先には睡蓮の池が垣間見えます。
だんだん広場とあじさいの小径で見頃を迎えた ”馬見丘陵公園の紫陽花”。桜の花ほど急ぐ必要もないと思いますが、時間を見つけて紫陽花ウォッチングにおでかけされてみてはいかがでしょうか。