桜井市の鳥見山周辺に集まる古墳群。
市内屈指の古墳密集地帯を案内するパンフレットが発行されました。『鳥見山周辺の古墳探訪』と題し、表紙にはこうぜ1号墳の東石室が採用されています。
キャッチコピーは「体験しよう!桜井の古墳ワールド!」です。
桜井市観光協会編集、記紀万葉プロジェクト推進協議会発行のパンフレットです。桜井市観光協会主催のおもてなし研修会に参加した際、『大和の古墳探索』管理人のとし坊さんにお会いしました。知る人ぞ知る、古墳のスペシャリストですよね。研修帰りに新しいパンフレットが完成したことを知らされ、今度取りに来るようにとお誘いを受けていました。
分かりやすい地図とルート案内
このパンフレットのおすすめポイントは、何と言っても鳥見山周辺に特化している点です。
場所が絞り込まれているため、倉橋方面の赤坂天王山古墳は含まれていません。シリーズ化されれば、おそらくその時には紹介されるものと思われます。巨大前方後円墳の桜井茶臼山古墳とメスリ山古墳を中心に、鳥見山周辺に散らばる古墳が案内されています。
これは分かりやすい!
鳥見山の等高線まで詳細に描かれていますね。
古墳群のみならず、鳥見山山麓に鎮まる等彌神社や宗像神社などもその位置を明確に知ることができます。私は地元民なので、この地図を見ているだけでも楽しくなってきます。磐余大橋に跡見橋、上之宮遺跡に押坂坐山口神社等々、古墳と関係のないポイントにも目が留まってしまいます(笑)
今冬に見学したこうぜ1号墳の横穴式石室。
開口部へ辿り着く道のりは決して楽ではありませんでした。古墳探訪にはまず、安全の確保が求められます。少々の危険は承知で出向くからこそ、冒険心もくすぐられるわけですが、怪我をしてしまっては元も子もありません。パンフレットにも、安全面への配慮が記されていました。
場所によっては、熊笹が生い茂り、道なき道を探索する事もあるかと思います。くれぐれも安全対策の上、お出かけください。(このコースではハイキングシューズ、軍手、帽子、磁石、懐中電灯、携帯電話等の持参がいいでしょう。)
なるほど、軍手や帽子も着用した方がいいかもしれませんね。草木が生い茂る夏であれば、なおさらのことです。古墳見学では方向感覚も無くしてしまいますから、磁石もお役立ちアイテムの一つとなります。
石室の中は光が届いていないことが往々にしてあります。真っ暗闇では見学の意味がありませんからね、持参するのが無難でしょう。
親切なルート案内。
大方の位置は分かっていても、なかなか辿り着けないことがあります。
民家の近くだったり、藪の中だったりと道案内を付けられない事情もあるようです。古墳への行き方が詳細に案内されていますので、これがあれば安心ですね。
ルート案内に目を通すと、メスリ山古墳の頂上には竪穴式石室があることが紹介されています。へぇ~、そうだったんだと改めて自分の無知を知ります。八坂神社の階段を上がって、拝殿の右横から後円部へと続く道があるようです。暇な時にでも行ってみようと思います。
鳥見山の北方に、後円部を北に向ける桜井茶臼山古墳が案内されています。
茶臼山古墳の墳丘にも登ることができるんですよね。
実は以前、ご宿泊頂いたお客様から教えて頂きました。しかしながら、まだ一度も茶臼山古墳には足を踏み入れたことがありません。どこから入っていいのか、その入口が分からないのです。でも、もう安心ですね。このパンフレットには写真付きでアクセスルートが案内されています。
舞谷2号墳も今冬に見学を済ませていますが、開口部へと続く最後の直線コースが印象に残っています。
パンフレット裏表紙のルート案内には、秋殿南古墳や艸墓古墳なども掲載されています。
安倍文殊院境内の古墳も掲載されていますね。
うん?まだまだ未知の古墳もたくさんあるようです。こも池近くには菰山古墳と双築古墳、市立桜井小学校周辺には稲荷西古墳群に稲荷東古墳群、かんす池の北東方向には風呂坊古墳群が控えています。菰池(こもいけ)と言えば、確か石寸山口神社の前に広がる池だったことを思い出します。人気(ひとけ)の感じられない神秘的な場所でした。古墳があってもおかしくないですね。
全行程約10㎞に及ぶモデルコースが案内されています。
桜井駅を起点に巡る古墳探訪コースです。
懐中電灯のイラストが、計四つの古墳に付されていますね。石室見学時に懐中電灯が必要な古墳で、こうぜ1号墳、秋殿南古墳、谷首古墳、艸墓古墳がマーキングされています。
鳥見山周辺の古墳探訪に出掛ける際、必須アイテムとなるパンフレットの誕生です!
『大和の古墳探索』管理人のとし坊さん、この度は誠にありがとうございました。