校倉造の談山神社宝庫

談山神社本殿の両脇にある宝庫。

位置的にも本殿の両翼を担う西宝庫と東宝庫ですが、どちらも重要文化財に指定される歴史的建造物です。

談山神社西宝庫

校倉造りの談山神社西宝庫。

校倉造りとは柱を用いずに、木材を井桁に組み上げて壁にした建物のことを言います。井楼組(せいろうぐみ)とも呼ばれる建築様式で、東大寺の正倉院なども校倉造の建築物として知られます。三角材を横に組み上げ、巧みに壁が形成されています。

談山神社の紅葉!釣燈籠の鎌の謎
藤原鎌足を祀る談山神社。関西の日光とも称される紅葉の名所です。拝殿の釣燈籠に鎌のデザインが見られます。藤原鎌足の「鎌」にちなむ意匠なのでしょうか。

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重要文化財の西宝庫と東宝庫

二つある談山神社の宝庫。

本殿向かって左側の西宝庫はよく目にしますが、東宝庫の存在自体をご存知でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。場所的にも少し分かりづらく、恋神社の上手北側に位置しています。

談山神社西宝庫

談山神社の西宝庫。

西宝庫左手の石段を下ると、世界でも唯一と言われる木造十三重塔が聳え建ちます。すぐ右手には本殿へと続く楼門があり、境内でも比較的人通りの多い場所に当たります。ちなみに現在は、この宝庫の中に宝物は収蔵されていません。あちこちの博物館に寄託されているようで、抜け殻状態の宝庫となっています。とは言っても、この建物の価値が揺らぐことはありません。

重要文化財の談山神社西宝庫

重要文化財の西宝庫。

本殿向かって左右に位置する同形式の二つの宝庫は、校倉造りで元和5年(1619)の造営である。文化財の宝庫として知られる談山神社古来の名宝を収蔵して来た。

※宝物は現在、各・博物館に寄託中。

唐招提寺の経蔵なども校倉造りの建物ですが、談山神社の場合は朱に塗られているからなのか、どこか垢抜けた感じがします。古代建築物に多い校倉造りではありますが、雅な印象を与えるのは境内に流れる空気故でしょうか。

藤原鎌足公神像

拝殿に掲げられていた藤原鎌足公神像。

同じお姿の神像が神廟拝所に祀られていますが、ふくよかな印象を与える鎌足公ですよね。今回の参拝では主役の座を談峯如意輪観音坐像にお譲りになられていましたが、普段は神廟拝所の真ん中にご鎮座なさっています。

恋神社のむすびの岩座

恋神社のむすびの岩座と紫陽花。

舞台造風の拝殿下を通って東へ向かうと、鏡女王を祀る恋神社へと出ます。そこに鎮まる磐座には、縁結びのご利益があると言われています。注連縄を鉢巻のように巻いた磐座の北側には、西宝庫と対を成す東宝庫が控えています。

談山神社の注意書き

石段を上がって行くと、東宝庫の前に出ました。

この柵の中に手を入れたり、体を乗り入れたりすると、防犯カメラが作動して、サイレンが鳴り響きます。ご注意下さい。 談山神社

おっと、これは要注意ですね。

なぜか東宝庫の前には柵が設けられ、立ち入りが禁止されていました。

談山神社の東宝庫

談山神社の東宝庫。

見た目的にも西宝庫と変わりはないものと思われます。

拝殿の透廊から東宝庫を見下ろすこともできますが、真正面から見ることができるのはこの場所だけです。こちらもまた、美しい校倉造りを今に伝えています。

重要文化財の談山神社東宝庫

重要文化財・東宝庫の案内プレート。

西宝庫と全く同じ内容の記述が見られますね。

建造年代に関しても、西宝庫と同じ元和(げんな)五年と記されています。江戸時代初期の重要文化財ですね。

紫陽花と談山神社西宝庫

十三重塔から石段を上がると、右手に紫陽花が開花していました。

談山神社は山の中にある神社ですから、平地よりは開花時期も遅れるようです。長い期間に渡って紫陽花が楽しめるのも、談山神社の見所の一つではないでしょうか。あじさいに西宝庫、そして楼門となかなか絵になる光景です。

談山神社の楼門や本殿を目にすると、その煌びやかな外観に日光東照宮が重なります。

果たして日光東照宮は談山神社を真似て造られたのでしょうか?談山神社の建物には不比等の考案したデザインが用いられているものと思われますが、日光東照宮にも影響を及ぼしていると思うと、壮大なロマンが広がっていくのを感じます。

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