国営飛鳥歴史公園の高松塚周辺地区。
近鉄飛鳥駅にも程近く、飛鳥観光の玄関口と言ってもいいでしょう。埋葬空間の西壁に描かれた飛鳥美人像はあまりにも有名です。暇な時間が出来たら、高松塚古墳の駐車場に車を停めて歩くこともよくあります。
国営飛鳥歴史公園館前のモニュメント。
手前の礎石は、橘寺の五重塔跡を模したものでしょう。
国営飛鳥歴史公園館には立体模型が展示されています。上空から明日香村全域を見下ろすようなジオラマで、まるでガリバーにでもなったような気分が味わえます。タッチパネルで四季折々の「飛鳥百景」を楽しむこともできます。
展望台の紅葉&綺麗に整備された二段円墳
駐車場から道路下のトンネルをくぐり抜けると、そのまま展望台の方へ上がって行く道があります。
いつもなら左へ折れ、芝生広場の脇を経由して高松塚古墳の方へ向かうのですが、この日は少し気分転換で展望台を目指しました。今年の紅葉は遅かったこともあり、まだ少しだけ残っていました。
階段の脇には落葉の山。
色付いた葉っぱが地面いっぱいに積み重なります。
紅葉の見頃にはなかなか外出できないのですが、こうやってわずかでも紅葉狩りが楽しめて感謝(^^♪
高松塚古墳の壁画が公開されるのは、年間でも限られた期間のみです。普段は修理施設の中で大切に保管されています。石室内に発生したカビは大体的に報じられましたよね。保存にかける情熱が、高松塚古墳を見事に蘇らせました。
こちらは高松塚壁画館。
石室模写や石槨模型などが展示されています。
入館料は一般大人300円となっています。どうしても新しいキトラ古墳の『四神の館』と比べられますが、古いながらも高松塚古墳の全容が把握できる施設だと思います。
向かって右側が入口です。
この右手に復元された墳丘があります。墳丘へ上がって行く途中に、鉄柵で頑丈に閉ざされた場所へと出ます。
中はどうなっているのでしょうか。
残念ながら中の様子をうかがい知ることは出来ません。
開口部前には、蝋燭を点した跡がありました。
プリンのような形をした墳丘に目がいきがちですが、こちらの方がより ”心臓部” に近いような気がします。ここからさらに右手へ上がると、墳丘の裾に出ます。
高松塚古墳は二段築成の円墳です。
全国にその名を知られる高松塚ですが、その墳形は権力者によく見られる前方後円墳ではありません。終末期古墳に多く見られる円墳です。
周囲をぐるっと一周することができます。
サッパリした円墳を前に、整備される以前の墳丘を思い出します。今とは似ても似つかぬ姿でした。ここまで綺麗に整備されると、味気ない気もします。古墳ファンの間では、より原初の姿を留めておいてほしかったという意見も聞かれます。なるほど、そうかもしれません。
未だに本格的な発掘調査もされず、そのままの状態の横穴式石室が奈良県内には多く見られます。とは言え、四神の壁画が見つかった以上、そのままに放置しておくわけにもいかないでしょう。やはり高松塚やキトラは別格なのかもしれません。
墳丘の裾を伝い、そこから文武天皇陵へと向かいます。
一通り陵を見学した後、いちご狩りのビニールハウスを右手に見ながら檜前川へと下ります。そのまま川沿いに戻り、道の駅『飛鳥』まで足を延ばしました。明日香村観光を目的に、当館にお泊りになられるお客様もいらっしゃいます。そこで、真新しいパンフレットを幾つか頂いて、高松塚の駐車場へと帰路に就きました。