五條市二見の生蓮寺(しょうれんじ)を訪れました。
蓮の花が人気のお寺ですが、境内を埋め尽くすテルテル坊主もトレードマークになっています。山門や本堂、手水処に至るまで晴天を願うてるてる坊主でいっぱいです!
生蓮寺のてるてる坊主。
参拝客が願い事を書いて奉納するスタイルです。へのへのもへじから端正なお顔立ちまで、様々なてるてる坊主がぶら下がっていました。
弘法大師空海が晴天を祈願!高野山へ至る道のり
参拝当日は梅雨明けの快晴でした。
青空の元、てるてる坊主もどこか誇らしげに映ります。そもそもなぜ生蓮寺にてるてる坊主?という疑問がありますよね。
生蓮寺は高野山への入口付近にあります。その立地的条件が理由になっていると言ってもいいでしょう。実は生蓮寺は、弘法大師空海が高野山へ向かう途中に立ち寄ったお寺なんです。山号の寄足山(よらせざん)もそのことに因みます。
山門に掲げられたてるてる坊主。
生蓮寺は「雨晴子授安産」「厄除諸病加持」の祈願所です。
弘法大師が旅の道中の晴れ祈願をしたことから、てるてる坊主に結び付いたわけですね。スーパースターの空海とて、雨が降るより晴れた方が良かったに違いありません。
生蓮寺には子授け安産のご利益もあります。
時代は平安初期に遡り、嵯峨天皇が皇后の安産を願って創建したと伝わります。
生蓮寺の地蔵菩薩坐像。
3mを超えるふくよかなお地蔵様です。右手に錫杖、左手には宝珠を乗せていました。
嵯峨天皇の元、参議を務めていた小野篁に銘じて地蔵菩薩像をここに安置したようです。時代を経て空海が来山した折には、自ら小さな地蔵菩薩像を彫って胎内に収めたと言います。つまり、ご本尊の胎内仏ですね。お寺の方にお伺いしましたが、今もその胎内仏は存在しているようです。
雨晴地蔵尊のお堂。
山門横の駐車場脇に、地蔵堂が建っていました。
空海の晴れ祈願とも関係があるのかもしれません。
ちなみに生蓮寺の駐車場ですが、山門横の他にも計3か所ありました。
かなりの数に上ります。
お寺の方も管理が大変でしょうね(笑)
小学生の頃、遠足や運動会の前日に吊り下げた記憶があります。
大人になれば、なかなかてるてる坊主に触れる機会は無いですよね。童心に帰って奉納してみるのもいいでしょう。
蓮の花が太陽の光を浴びています。
開花のタイミングは午前中がおすすめです。
蓮の花って、実は4日間だけしか咲かないようです。入れ代わり立ち代わり新たな芽が出てくるので、今までそのことに気付きませんでした。
こちらはまた “変化球” のてるてる坊主です。
スカートの裾を広げているようで可愛いですね。
生蓮寺へのアクセスですが、国道24号の二見駅前交差点をJR方面へ折れます。そのまま踏切を越えて、二見御幸辻停車場線を進めば到着します。
弘法大師つながりで記しておきますが、生蓮寺の近くに「犬飼山転法輪寺」というお寺があります。
国道24号沿いに建つ“犬飼寺”も空海ゆかりの高野山真言宗に属しています。これだけの偉人ですから、高野山へ至る道中には色んなエピソードが詰まっているのを感じます。