奈良県立美術館に出向いた時、絵馬の原形とされる錺馬を見学しました。
よく神社の境内で神馬(しんめ)を見かけますが、春日大社の御間塀(おあいべい)にも神馬が描かれているようです。
春日大社本殿の御間塀に描かれた「神馬牽引図」。
舎人が馬を曳いている姿ですね。
春日大社本殿四棟は国宝に指定されています。
それぞれの本殿は板塀でつながっており、計5枚の板塀のことを「御間塀(おあいべい)」と呼んでいます。春日大社本殿から若宮へと続く道を御間道(おあいみち)と言いますが、この「御間(おあい)」という音の響きがどこか心地いいですね。それにしても煌びやかな神馬です。
春日画所が描き継いだ神馬牽引図
式年造替の度に描き直されてきた神馬図です。
第60次式年造替も無事に終えていますが、常若の精神に立ち返り、今も本殿の板塀には新たな神馬牽引図が描かれていることでしょう。
春日大社御本社御間塀の錺馬(かざりうま)図
御本社の四つの社殿の間をつなぐ板塀に、美しく飾った馬を舎人が引く図が描かれるのは、春日祭などで朝廷や藤原氏より御寄進の御馬を曳き回す姿を表したもので、舎人の装束も華やかな造物で飾った風流の姿。実際の馬の代わりに絵の馬を奉るという意味では、絵馬の原形と考えられる。
平安時代末には、描かれていたことが確かで、延慶2年(1309)成立の春日権現験記には、現在とほぼ同様の図柄であったことが確認できる。春日画所(かすがえどころ)に任じられた絵師により、御造替時に書き継がれて来たもので、現在第60次式年造替事業においても、描き替えの準備が進められている。
本殿の板塀図は計5枚ありますが、その内の3枚には舎人と神馬が描かれているようです。
残りの二枚には、それぞれ獅子牡丹図、竹に雀図が描かれます。春日大社の御祭神に最も近い場所に居る絵図たち・・・そう思うだけでも、有難さがひしひしと伝わってきます。
フリシカ家族。
龍田大社近くにある「ゆらり工芸」さんの作品ですね。
鹿以外のアニマルシリーズでは、雪丸や黒駒くん等も販売されているようです。
手前の黄色い鹿がバンビで、向こう右側にパパ鹿、その左にママ鹿が並んでいました。尻尾や頭に触れると、ゆらゆらと揺れる工芸作品です。奈良県立美術館の一連の展示品を見終わった後、ここで記念品を買って帰るのもおすすめですね。