安倍文殊院金閣浮御堂の七まいり

安倍文殊院の七まいり。

人は一生の内に、七つの思いがけない災難に遭うようです。俗に言う「上り坂、下り坂、まさか」ですね。まさかの“さか”は避けては通れないのかもしれません。そんな中、心強い味方が存在します。安倍文殊院の金閣浮御堂・霊宝館は、魔除けや方位災難除けを祈願する願掛け修行場になっています。

魔除おさめ札・安倍文殊院本堂と西古墳

七まいりの「魔除おさめ札」。

安倍晴明の五芒星を冠した7枚のお札が連なります。

一、二、三と数字が振られており、時計回りに金閣浮御堂を周りながら1枚ずつ正面の箱に納めていきます。黄金に輝くお札は、陰陽師パワーにあやかり効果がありそうですね。

安倍文殊院金閣浮御堂とショウリョウバッタ
安倍文殊院の文殊池に浮かぶ金閣浮御堂(2013年9月)。池の周りにはコスモスの花も咲き始め、秋の行楽シーズンへ向けて秒読み段階に入って参りました。とある休日の昼下がりにふらっと訪れた境内で、子供の頃の記憶が蘇るショウリョウバッタに出会いまし...

スポンサーリンク

弁財天に近付く回廊の奥!文殊池越しに見る境内

金閣浮御堂から見る境内は、今までにないアングルでした。

霊宝館の欄干先に文殊池、その向こうに本堂や西古墳、不動堂を望みます。

七まいりの魔除おさめ札

七詣りの魔除おさめ札。

七難即滅、七福即生と記します。お札の向こうに見えている建物は不動堂ですね。

一周ごとに右端から1枚ずつ切り離し、金閣浮御堂正面の箱に納めます。回廊をまわる際は、災難を祓うため「〇〇しないように」と願います。病気しないように、事故に遭わないように等々、七参りの作法となりますので覚えておきましょう。

安倍文殊院智恵のらくがん

今回のお参りでは、本堂・浮御堂共通拝観券を購入しました。

拝観料は1,200円です。本堂拝観のみの場合は、700円のようです。

五芒星を象り、「安倍山」と刻む落雁(らくがん)を頂きました。智恵のらくがんと称する安倍文殊院の土産物の一つです。亀パンと双璧を成す一品で、とても上品な味わいでした。

金閣浮御堂とコスモス

金閣浮御堂とコスモス。

今年もコスモスの季節が始まります。概ね開花期間は9月中旬~10月下旬のようです。コスモス迷路はまだ先ですが、文殊池の周りには数輪のコスモスが咲いていました。

安倍文殊院の厄除魔除御守

金閣浮御堂・霊宝館の拝観受付で授与されたお守り。

五芒星を冠し、厄除・魔除と書かれています。受付の方のお話では、お財布に忍ばせておくお守りのようです。一年後にお返しする流れとなります。

金閣浮御堂・霊宝館

橋を渡って浮御堂へ向かいます。

橋そのものが “結界” のような役割なのでしょう。気持ちを正して、いざ金閣浮御堂へ。

安倍文殊院の七まいり

正面奥の回廊。

細くて狭い!なぜにまた、ここだけ狭い通路になっているのでしょうか?ふと疑問に思ったのですが、どうやらここは“浮御堂のセンター”とでも言うべき弁財天の背後に当たるようです。

弁財天尊に一番近い場所なのです。

ちなみに弁財天の向かって右には安倍仲麻呂公像、左に安倍晴明公像が祀られています。いずれも室町時代の尊像で、割と小ぶりでした。

安倍文殊院の七まいり

あんこ形の力士では無理そうな隘路(あいろ)を抜けると、本堂が見えてきました。

本堂内には、国宝の渡海文殊が祀られています。

安倍文殊院の七まいり

弁財天尊の真後ろ。

落下防止のためでしょう、欄干の上に柵が張り出していました。大きな鞄でも持っていたら、邪魔になって歩きにくそうです。お寺の方の配慮を感じますね。

安倍文殊院の七まいり

本堂右手の開口部は文殊院西古墳です。

国の特別史跡に指定される、精緻な横穴式石室が開口しています。

開口部と向き合うように建つ石燈籠は、安倍晋三元首相の献灯ですね。安倍文殊院は安倍一族の氏寺です。金閣浮御堂の祭壇右手には安倍晋三氏、並びにその父親に当たる安倍晋太郎氏の位牌も祀られていました。

安倍文殊院の七まいり

堂内には安倍晴明の御尊軸も展示されています。

式神を背後に従えた安倍晴明が、妖怪たちと向き合う漫画タッチの絵も興味深かったです。

堂内6面の壁面には、秘仏の十二天御尊軸(室町時代)が祀られています。秋の寺宝展期間中につき、水天、羅刹天、風天が開帳されていました。

安倍文殊院本堂・浮御堂共通拝観券

本堂・浮御堂の共通拝観券。

本堂内は見た目より奥行きがあります。渡海文殊は奥の大収蔵庫に安置されていました。ただでさえ大きな仏像ですが、壇上に手厚く祀ることにより、さらにその威容を解き放っていました。

智恵の落雁

智恵のらくがんにかぶりつきます。

国産小豆の漉し餡が入っています。これは美味しい!

生きている間には色んなことが起こります。

誰しも災難には遭いたくありません。「あなたの周りに起こることは全て正しい」とも言います。不幸の最中(さなか)に居るときは信じたくない言葉ですが、一理あるのかもしれません。何か深遠な意味があって、今の状態がある。日常生活で微調整を繰り返しながらも、魔除けも必要になってくるのでしょう。

八方塞がりにあるのなら、ちょっとした気分転換でお参りしてみるのもいいと思います。

タイトルとURLをコピーしました