信田巻きとは、油揚げを食材に使った料理のことをいいます。
レシピを簡単に説明すると、油揚げを熱湯にさっと通して油抜きをします。次に油揚げの三方の端を切り落として、手で破れないように開きます。開いた油揚げの中に、様々な具材を入れて巻き込む料理を信田巻きと呼びます。
棒ひじき信田巻き。
油揚げの中の具材に、干物のひじきを使ってみました。
棒ひじきっていうぐらいですから、ひじきは茎の部分に当たる長ひじきを使用します。長ひじきが巻き込むときの芯になります。
右が購入した長ひじき。
芯の部分の周りを、木綿豆腐とつくね芋でねっとりと覆います。木綿豆腐は重石をして約1時間ほど水切りします。裏ごしてすり鉢に入れ、すりおろしたつくね芋と溶き卵を加えてすり混ぜます。
砂糖、塩、みりんを加えて味を調えておきます。
長ひじきはたっぷりの水で2~3時間戻します。
さっと茹でて水に落とし、八方だしでしばらく煮ます。そのまま冷まして味を含め、汁気を切って油揚げの長さに切りそろえます。豆腐生地を油揚げに塗って、長ひじきを芯にして巻いていきます。
このとき、油揚げの表面に刷毛で片栗粉をふっておいた方がいいでしょうね。あとは蒸して煮るという手順を踏めばOKです。
信田巻き!料理名の由来
”棒ひじき信田巻き”を作ってみての感想です。
其の一・ 木綿豆腐とつくね芋の生地は、もう少し分厚く塗った方がいいかなと思いました。その方が、仕上がりにボリュームが出ます。
其の二・ 油揚げで巻いて煮たあと、しばらくそのままにしておいて味を含ませること。冷えていく過程で味が入っていきます。一晩冷蔵庫で寝かせるぐらいでいいのかなと思いました。
どうして信田巻きは、油揚げを使った料理に付く名前なのか?
信田巻きの名前の由来についてご案内申し上げます・・・
大阪府和泉市に信太の森(しのだのもり)という所があります。
信太の森には信太稲荷があり、昔から狐の伝説で有名でした。信太の森の白狐が人間の女(葛の葉姫)に化け、安倍保名(あべのやすな)と契って子供をもうけます。
この子供は後に成長して、陰陽師の太祖・安倍晴明になります。
人間に化けたはいいものの、やがて本物の葛の葉姫に正体を見破られることになります。正体を明かされた白狐の恨みの歌が残っています。
~恋しくばたづね来てみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉~
狐が人間と結婚し、やがて正体が見破られて姿を消すという伝説は数多く残されています。
「葛の葉形式」の伝説とも呼ばれています。
ご存知のように狐の好物は油揚げとされています。
油揚げ~狐~信太の森~信太の連想から、油揚げを使った料理名に信太(信田)が付くようになったのです。
歌舞伎の「葛の葉」はあまりにも有名ですよね。
信田巻きのレシピには様々なものがあります。
今回は長ひじきと豆腐という、ちょっと変わった信田巻きを作ってみましたが、鶏のひき肉を使うことが結構多いようです。信田巻きの作り方を解説しているブログを探していたら、管理栄養士さんの日記に出会いました。
管理栄養士さんもご指摘のように、日本料理には塩分が少し多いかもしれませんね。
薄口しょうゆは塩分が多いです。
自身の健康のことを考えると、色はちょっと付いてしまいますが、濃口の方がいいのかなと思うこともあります。濃口しょうゆは香りがいいですからね。信田巻きのレシピ、是非チャレンジしてみて下さい。