ホケノ山古墳の駐車場に桜が咲いていました。
石舞台古墳の桜のように観光客向けではありませんが、ひっそりと咲いている桜にも魅力を感じます。春の陽気に包まれ、様々な野草も元気に育っていました。
姫踊子草(ヒメオドリコソウ)とホケノ山古墳の墳丘。
ヒメオドリコソウはシソ科オドリコソウ属に分類される野草です。笠を被ったような姿が印象的です。赤と緑のグラデーションに覆われた葉っぱが幾つも見られますね。
桜に椿!三輪山麓をそぞろ歩き
繁殖力の強いヒメオドリコソウ。
周りの植物にしてみれば、多少の脅威を感じる存在なのかもしれません。
野に咲く花や雑草に囲まれながら、悠久の歴史を刻み続けるホケノ山古墳。ほぼ自然のままに残された古墳の周りでは、季節の営みが続いていました。
ホケノ山古墳の桜。
駐車場の傍らに咲いていました。芽吹く前の蕾もありますね。
地面にボトッと落ちていた花。
おそらく椿ではないでしょうか。所々に変色した斑点模様があり、落花した後の切なさを感じさせます。
駐車場からホケノ山古墳を望みます。
ちょっと電線が邪魔をしていますね。せっかくの被写体がこれでは悲しい限りです。確かに観光立国を目指すなら、電柱の地中化工事は急を要します。
やはりこれは椿でしょう。
4月初旬のこの時期でも花を付けています。
見分けるのが難しい山茶花の開花時期は10月~12月ですからね。葉っぱに注目してみると、中心の葉脈がクリアな色合いです。山茶花は黒っぽいラインが走っていますので、やはり”椿”で間違いないでしょう。
花首からポトリと落ちる椿。
首から落ちるということで、昔の武士たちからは敬遠されました。
もうギリギリのタイミングです。
さすがに4月も末になれば、椿の花も落ちていることでしょう。
地面に散った椿の花。
これらもまた、何かの栄養分として吸収されるのでしょうね。
おや?
まだ蕾もありました。
変色しながらも花を付けている椿の横で、新たな芽が開花の時を待ちます。その周りには、首から落ちた無数の花が散らばります。時の流れを感じさせる光景に、ホケノ山古墳の歴史を重ね合わせます。
三輪山と桜の風景。
ホケノ山古墳から箸墓古墳へ向かう途中、三輪山方面に振り返ります。
古代の聖地は、今年も春を謳歌していました。