安倍文殊院の名物「亀パン」を食べて参りました。
駐車場脇にお茶屋さんがあるのは知っていましたが、いつもスルーしていました。春爛漫の陽気に誘われておでかけした今回、初めて店内に足を踏み入れてみることにしました。亀パンはカボチャの餡を使った昔懐かしい菓子パンです。
本堂前の「仲麻呂望郷しだれ桜」が満開でした(^^♪
ご存知のように安倍文殊院は安倍一族の氏寺です。安倍晴明生誕の地とも言われ、文殊池に浮かぶ金閣浮御堂は別名を「仲麻呂堂」と称します。毎年のことですが、平野部にある安倍文殊院は山間部の談山神社に比べ開花が早いようです。
ぼけ封じにもご利益のある亀パン
安倍文殊院の亀パンはボケ封じにも効能があると言われています。
パン生地に包まれた餡には南瓜(かぼちゃ)が使用されており、その栄養素であるカロチンに由来するようです。智恵増上、健康、中風封じなどにも寄与するのだとか。冬至にかぼちゃを食べると中風にならないとよく言いますよね。
安倍文殊院の亀パン。
甲羅の亀甲紋はケシの実でしょうか。
お店の方に電子レンジでチンして頂き、温まった状態で頂きました。お値段は200円です。普通にパン屋さんで購入するならちょっと高値ですが、ここは安倍文殊院の境内です。有難味を感じながら、ゆっくりと噛み締めながら胃袋の中に収めました。
亀パンを販売している『いわれ茶屋』。
安倍文殊院の駐車場敷地内にあり、喫茶・おみやげ物コーナーとして営業中です。
甘酒、ぜんざい、かき氷、ぼけ酒などの案内も掲げられていました。いわれ茶屋の背後に見える鳥居は、文殊院のお稲荷さん(葛葉稲荷)です。
金閣浮御堂と阿倍仲麻呂の歌碑。
池の水面には桜の花びらが浮かんでいました。
満開と同時に、散り始めの木も幾つか見られました。
こちらは木瓜(ぼけ)の花ですね。
ぼけ酒は木瓜の実をお酒に浸して作られています。
智恵の文殊様はボケ封じの霊場としても人気を集めています。
亀パンの説明書には、亀パンは「噛めパン」に通ずると書かれています。
「噛む」ことは人間の脳にフレッシュな血液を送り込み、頭脳を活性化させる大きな作用がある・・・と。「噛む」という動作には、私たちが思う以上に深い意味が込められています。
お酒の歴史を辿れば、「噛む」ことから始まったことが分かります。「噛む」が「醸す」になり、それはそのまま「神」にもつながっていったのではないか、そんな風にも思えます。
意外や意外、亀パンから色々な発想が浮かびました(笑)
一説によれば、上賀茂神社や下鴨神社などの「賀茂(鴨)」も「神」のことではないかとされます。奈良県有数のパワースポット・高鴨神社の記事でも触れましたが、ご興味をお持ちの方はどうぞご参照下さい。
”亀は万年”と言われ、おめでたい長寿の象徴とされますが、この「亀」という言葉にもなにか深い意味を感じます。
晴明堂前の展望台から境内を見下ろします。
今年の干支である「戌」を模った干支花絵ですね。
いわれ茶屋の店内。
歴代の干支絵馬の写真が壁に掲げられていました。
亀パンはテイクアウトすることも可能です。
今回の私はイートインでしたが、待ち時間はほんの数分です。特殊冷凍された亀パンを電子レンジで温めて頂き、コップ一杯の水と共に給仕されます。温められたパン生地からは、昔懐かしい香りが漂っていました。
カボチャと亀パン。
材料に南瓜が使われていたとは、正直気に留めることもありませんでした。
亀パンはぼけ酒と並んで安倍文殊院の名物です。
お参りの際は、是非一度ご賞味あれ。