古代の屯倉(みやけ)に由来する三宅町。
屯倉とは大王(後の天皇)が直轄経営する領地のことで、その歴史の深さをしのばせます。周辺には瓢箪山古墳などの三宅古墳群が散らばり、垂仁・景行天皇期には栄えた場所であったと推測されます。
飛鳥川沿いの三宅町中央公園へ足を延ばすと、恋人の聖地を象徴するベルモニュメントがありました。
「音の風景」ベルモニュメント。
三宅健民運動場の脇に、ブロンズ製の鐘が吊り下げられています。
三宅町は平成26年(2014)にNPO法人地域活性化支援センターが選定する「恋人の聖地」に選ばれました。万葉集の愛の花・あざさが決め手になったようです。
「恋人の聖地」としてのモニュメントは、鐘の他にも石彫モニュメントが知られます。太陽の方向にリングを向けるとハートの影を映し出すロマンチックなもので、「陽(ひかり)の風景」として人気を集めています。
カップルで座る県産杉材のラブチェア
ベルモニュメントの傍には、奈良県産の杉で作った木製ベンチも設置されていました。
少子化、晩婚化、非婚化と将来を憂うる言葉が並ぶ中、なんだか希望の光を感じますね。地域活性化や町興しの波は各地で起こっていますが、まずは若いチカラが必要です。ナシ婚なんて寂しいことを言わずに、二人の門出は親族一同で祝う場にしていきましょう。
三宅町中央公園のラブチェア。
ハートが浮かぶように設計されています。
昨今は神社などでも”猪目模様”をハートに見立て、縁結びスポットとして再編が進んでいます。こじつけとの批判も聞かれますが、自由な発想は自由な空気を呼び込みます。
三宅町中央公園の三宅町体育館。
随分広々とした場所で、気分も爽快です!
体育館と運動場の間にあるベルモニュメント。
階段の段差も緩やかですね。
鐘を鳴らすにも作法があるようです。
1回目は自分の身を清め、2回目は相手の心を呼び、3回目で二人の愛を誓い合います。
青空に向かって鳴り響く幸せの鐘(^^♪
ここにはキリスト教も仏教も神道も無いでしょう。ただただ無心に鳴らしてみて下さい。
鉄製モニュメントの高さは約3.1mのようです。
結婚式本番を控えての”試し撞き”もいいですね。
運動場の観覧席。
ここは三宅町民の憩いの場です。
駐車場の奥に見えるのは、全長40mの瓢箪山古墳です。
6世紀前半の前方後円墳で、三宅古墳群に属しています。新旧入り混じる風景は、奈良県ならではですね。枝垂桜の咲く大美和の杜展望台も「恋人の聖地」ですが、ここ三宅町の聖地も視界の開けた素敵な場所だと思います。