馬見丘陵公園の三吉2号墳を訪れました。
奈良県内では奈良公園に次いで広大な馬見丘陵公園。今まで色んな箇所を巡ってきましたが、三吉2号墳のある辺りは死角になっていました。三吉2号墳の墳形は帆立貝式です。乙女山古墳も帆立貝式ですが、一回り小さい古墳でした。
馬見丘陵公園南エリアの三吉2号墳。
巨大な巣山古墳の西側に築かれています。出土した円筒埴輪から推測すると、巣山古墳に次ぐ時期に築造されたようです。築造年代は4世紀終わりから5世紀初めと思われます。
巣山古墳の西に築造!古の丘に向き合う三吉2号墳
三吉2号墳の所在地は、北葛城郡広陵町三吉です。
広陵町を含めた北葛城郡の4町ですが、昨今はほっかつエリアとして注目を集めています。上牧町、王寺町、広陵町、河合町の4町から成る北葛城郡を「北葛(ほっかつ)」と呼びます。呼称を平仮名にするだけで、途端に親近感が湧いてきますね。
三吉2号墳の周辺俯瞰地図。
2番が三吉2号墳です。基本的には前方後円墳なのですが、極端に前方部が短いことから「帆立貝式古墳」に分類されます。南エリア内の「古(いにしえ)の丘」に向き合います。
1番が全長220mを誇る前方後円墳の巣山古墳です。前方部に取り付く出島が特徴的ですね。3番がダダオシ古墳(前方後円墳)、4番は狐塚古墳(帆立貝式古墳)です。道路を挟んだすぐ西側は竹取公園のようです。
中央エリアの公園館前に咲くヒマワリ。
今年で第9回目を迎える「馬見ひまわりウィーク」が開催されています。冷房を求めて公園館の中はいつもより多くの人がいらっしゃいました。バードウオッチングや古墳探索が楽しめる馬見丘陵公園ですが、そのガイダンス施設も兼ねています。
巣山古墳の立体模型。
こうして見ると、4段築成であることが分かりますね。くびれ部の造り出しも再現されていました。
中央エリアから南エリアへと向かいます。
ダダオシ橋を渡って、三吉2号墳のある南エリアに入ります。
ダダオシ橋手前の花壇。
南エリアに入ると、程なく右手に墳丘が現れます。
墳丘へ上がるスロープが付いていました。
墳頂部から「古の丘」を見下ろします。
北の方にはおトイレもありました。右向こうに見えているのが巣山古墳です。
三吉2号墳の墳丘を下ります。
古墳見学にありがちなジメッとした湿気は感じられません。
確かに真夏で蒸し暑いのですが、青い芝生が爽快感を与えます。古墳見学の季節は、冬が推奨されます。そのままの姿を残す山中の古墳は、蜘蛛の巣や藪(繁茂する草木)が大敵です。草木が枯れる冬は視界も良好で、蜘蛛の巣に邪魔されることもありません。その点に立脚すれば、こういう整備された古墳は夏向きなのかもしれません。モワッとした真夏でも楽しむことができます。
【三吉2号墳】巣山古墳の西側に築かれた全長93mの帆立貝式古墳です。出土した円筒埴輪から巣山古墳に次ぐ時期に築かれたと考えられます。
【ダダオシ古墳】6世紀に造られた全長50mの前方後円墳です。周濠が伴うと考えられており、前方部の南東には小石室が築かれていました。
【狐塚古墳】5世紀前半に造られた全長78mの帆立貝式古墳です。発掘調査で木棺を粘土で保護した粘土槨が確認され、鏡や鉄刀の破片等が出土しています。
“帆立貝式”の短い前方部から後円部を見上げます。
綺麗に芝生が整備されていて、いかにも公園といった感じです。古墳をこよなく愛する古代史ファンからは色んな声が聞こえてきそうですけどね。
古の丘と中央エリアを指し示す道標。
中央エリアへ引き返す際、右手にダダオシ池がありました。その池の脇に、前方後円墳のダダオシ古墳があります。前方後円墳としては小型の全長50mを測ります。
集いの丘エリアの大型テント前。
燦燦と照り付ける太陽の元、テントの下には陰が出来ます。涼を求めてホッと一息ですね。
馬見丘陵公園の俯瞰地図。
道路を挟んだ右側、南エリアに三吉2号墳があります。ダダオシ池の左下の杜がダダオシ古墳だと思われます。そこから橋(ダダオシ橋)が架かり、中央エリアとつながります。夕焼け展望広場なんてのもあるんですね、初めて知りました。
南エリアから中央エリアへ戻ります。
広陵町三吉には、同じく帆立貝式古墳の三吉石塚古墳があります。時間に余裕のある方は、併せて見学しておきましょう。