記念すべき12月16日に東大寺へお参りに出掛けました。最たるお目当ては開山堂だったのですが、その他にも新たな東大寺の側面を見ることが出来た一日でした。その中の一つ、東大寺念仏堂を取り上げてみます。
東大寺英霊殿。
念仏堂の裏手に、廊下で繋がったお堂を発見致しました。
巨大な梵鐘で知られる鐘楼を中心とした鐘楼ヶ丘に念仏堂は佇みます。錣葺きの屋根が特徴の念仏堂ですが、その背後に建物があるとは知る由もありませんでした。今思えば、以前にも目にしたことのあるお堂でした。二月堂方面から鐘楼ヶ丘に下りてくる途中、その側面後方を右手に捉える建物です。気にも留めていなかったわけですが、今改めてその愚かさに気付かされました。
戦死者の英霊を祀る英霊殿
東大寺念仏堂の御本尊は丈六の地蔵菩薩坐像です。
鎌倉時代創建の念仏堂ですが、ちょうど同じぐらいの時期に御本尊も造られたそうです。大らかな雰囲気のお地蔵様で、少し足を崩してお座りになられています。足の裏が上を向いており、そのふくよかな肉付きに思わず頬を緩めます。
英霊納骨堂
大東亜戦争奈良部隊約三万柱の英霊がおまつりされています
太平洋戦争で戦死した奈良県出兵者の英霊が、念仏堂の裏手に手厚く祀られます。
毎年8月11日には、東大寺念仏堂・護国英霊殿に於いて戦没者供養が営まれるそうです。英霊の数え方ですが、この案内板には「柱」と記されていますね。私たちは神様のことも一柱、二柱と数えます。天へと続く柱に、絶えることのない永遠の願いを込めます。
念仏堂向かって左横に、御朱印受付所がありました。
本日は俊乗堂臨時御朱印所になっているようです。
俊乗堂では国宝・重源上人坐像をはじめ、重文・阿弥陀如来立像や愛染明王坐像も特別公開されています。俊乗堂の特別開扉は年2回で、7月5日と12月16日となっています。7月5日は無料公開のようですが、12月16日は拝観料500円が必要です。
ちなみに、念仏堂の堂内は拝観料無料です。
念仏堂の背後へと回り込みます。
短い廊下で英霊殿と繋がっていました。
戦争の歴史は二度と繰り返してはなりません。
東大寺にもこういう場所があったのですね。
一歩足を踏み入れれば、まだまだ未知の世界が広がっていそうです。さすがに東大寺は広大無辺ですね。