金剛力士像がそびえる東大寺南大門。
南大門の南側に金剛力士像、その北側には石造獅子像が安置されています。
東大寺南大門の石獅子。
南大門の南北両サイドを見ると、確かに大仏殿方向の北側に前脚をピンと伸ばした獅子が陣取っています。
南宋の石工・伊行末が手掛けた重要文化財
南大門の石造獅子像。
1196年に南宋の石工・伊行末(いぎょうまつ)によって造られ、現在は重要文化財に指定されています。
名工伊行末の作品は数多く知られ、般若寺の十三重石塔などもその内の一つです。その他、宇陀市大蔵寺の十三重石塔や大野寺の弥勒摩崖仏なども残しています。さらに東大寺境内にも伊行末の作品を見ることができます。石獅子のみならず、法華堂(三月堂)の古びた石燈籠も伊行末の作と伝わります。
東大寺ミュージアムのおみやげものコーナーにも、南大門の石造獅子像が販売されていました。
南大門の正面で睨みを利かせる仁王様の勢いに押され、その裏側に居る獅子像は見逃しがちですね。
忘れてはいけません。
東大寺大仏と向き合うような形で、しっかりと根を下ろしている南大門の石造獅子像。
意外と知られていない穴場スポットですね。