赤土山古墳の円筒埴輪レプリカ

なら歴史芸術文化村の企画展を訪れました。

『すごいぞ!レプリカ ~文化財を未来に伝える~』と題し、複製品にスポットライトが当たっています。以前にも正暦寺薬師如来椅像のレプリカを見学しましたが、今回の企画展ではさらに幅を広げた展示品を楽しむことが出来ます。

赤土山古墳の円筒埴輪レプリカ

赤土山古墳の円筒埴輪レプリカ。

赤土山古墳(前方後円墳)の後円部に埋もれていた埴輪列です。

リアルに再現されています。当たり前のことですが、発掘当初はこんな感じなんですよね。ここから考古学のプロ技によって、より輪郭がはっきりしてくるわけです!

土偶と埴輪!天理周辺の戦争体験@なら歴史芸術文化村
なら歴史芸術文化村の芸術文化体験棟。 3階の交流ラウンジ脇に、可愛らしい土偶と埴輪が展示されていました。 黒田大スケさんによる文化村クリエイション『湖底から帆』と題するイベントのようです。展覧会マップの裏側に、柳本飛行場にまつわる話題が掲載...

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南海トラフ地震の地すべり跡!国の史跡に指定された赤土山古墳

赤土山古墳は西名阪自動車道のすぐ近くにあります。

少々分かりづらい場所で、実際に赤土山古墳まで足を運んだ人は多くないと思います。一般公開されており、誰でも無料見学が可能です。こちらのブログでは、赤土山古墳の行き方も案内済みです。ご興味のある方は是非どうぞ(^O^)

天理市赤土山古墳の円筒埴輪レプリカ

出土状況を目の当たりにすると、きっと興奮するんでしょうね。

私のような門外漢では、そのような機会に恵まれることも無く・・・各地の現地説明会なども週末に行われることが多く、仕事柄なかなか足を運ぶことが出来ません。

天理市の赤土山古墳解説

赤土山古墳は、古墳時代前期末から中期初頭(4世紀後半)につくられた東大寺山古墳群の一つです。調査前は前方後方墳と考えられていましたが、昭和62年(1987)から平成14年(2002)にかけて8度にわたる発掘調査が行われた結果、現存長106.5mの前方後円墳であることが分かりました。後円部頂上の円筒埴輪列をはじめ、古墳の表面を覆う葺石や円筒埴輪の列が残っていました。後円部の東端には造り出しと呼ばれる台状の突出部が存在し、その南側に11基の家形埴輪が置かれた祭祀遺構が見つかりました。

また、後円部の側面では4世紀末から5世紀と8世紀後半に発生した2度の南海トラフ地震によるものとみられる地すべりの痕跡が確認されました。埋葬施設は地すべりによって破壊されていましたが、崩落した土の中から副葬品とみられる遺物が出土しています。それらの遺物には、刀子の石製模造品、滑石製の玉杖片(ぎょくじょうへん;儀式用の杖の破片)などの石製品や鍬形石、石釧(いしくしろ)、勾玉などの装飾品がみられます。

平成4年(1992)に国の史跡に指定され、整備工事の後、平成22年(2010)から一般公開されています。

赤土山古墳の円筒埴輪レプリカ

こういうレプリカがあると、とても有難いです。

時と場所を選ばず、疑似体験ができます。考古学も歴史を重ねるごとに、その複製技術も進んでいることでしょう。所詮はコピーであり、偽物に過ぎません。しかしながら、レプリカには時空を超えるチカラがあります。汎用性を高め、普く(あまねく)その価値を伝えます。

素晴らしいですね、レプリカの存在は。

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