春を告げる梅と桜。
万葉の時代には桜よりも梅の方が好まれたと言います。桜に先立って梅が開花し、まだ肌寒さの残る列島に彩りを添えています。
そんな梅と桜を対比することわざに、「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」があります。
奈良市内の菅原天満宮盆梅展。
縦横無尽に伸びる枝振りが見どころの一つとなっています。
こちらは屋内展示の梅花ですが、屋外では青空を奪い合うように枝が伸びていました。
剪定で樹形を保つ梅!菌に弱い桜の切り口
桜は菌に感染しやすいようです。
むやみに枝を剪定すると、切り口から腐敗が進み枯れてしまいます。そのため、落葉直後の11月が剪定のベストタイミングです。剪定する際には、ハサミなども消毒して使います。太い切り口には殺菌剤を塗って予防し、念には念を入れます。
その点、梅は切り口の回復も早いようです。
菅原神社の牛像。
菅原道真を象徴する動物といえば”牛”ですね。
梅はこまめに剪定して、余計な枝を取り除きます。
そうすることによって、全体的にバランス良く育ちます。見た目にも美しい枝振りは、お手入れの賜物だったんですね。
毎年綺麗な花を咲かせるには、絶妙なタイミングで剪定していく必要があります。
「梅伐らぬ馬鹿」とならないよう、親が子を見守るように心を込めて育てます。
全国各地の盆梅展が人気なのも頷けますね。
桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿。これを機に覚えておきましょう。