大神神社の御田植祭をご案内します。
毎年6月25日に行われる恒例神事の御田植祭。
場所は大神神社の「大美和の杜」にある神饌田。
田作男と早乙女が太鼓の合図と共に、清められた早苗を植えていきます。
リズム良く整然と!早苗の植え付け風景
真っ直ぐに苗を植えるのは難しい作業です。
一定のリズムで敲く太鼓の音や、田圃脇の目印によって整然と並ぶ早苗。その風景を見ていると、不思議と心が整ってきます。
大神神社二の鳥居前に御田植祭の案内が出ていました。
午前10時より神饌田に於いて厳粛に執り行われる御田植祭。参列自由となっているイベントですので、見学者が続々と大神神社へ向かいます。
神饌田近くの東屋が祭事の控室になっていました。
大和三山を見下ろす大美和の杜展望台から久延彦神社へ行く途中の道を右へ下りて行くと、ささゆり園の近くに東屋があります。
お清めの神具でしょう。
御田植祭が始まる前、田作男と早乙女に扮する方々が手を清めておられました。
神事前の記念撮影。
御田植祭を見学させて頂くのは初めてだったのですが、毎年同じような手順で進められているのかもしれませんね。
早乙女の背中。
赤い襷(タスキ)を掛けておられます。田作男に扮する男性の方々は青い襷を掛けておられました。一列になって、東屋より下手の神饌田へ向かいます。
お祓いの儀、耕作の安全を祈る祝詞奏上の後、お祓いを受けた鍬と早苗を受け「耕作の儀」へと続き、いよいよお田植え作業が始まります。
早苗ですね。
大美和の杜には三輪山を源流とする清らかな狭井川が流れ、すぐ横に神饌田(しんせんでん)が広がります。5月12日の播種祭(はしゅさい)で播かれた籾種は順調に成長し、「早苗」となっていました。
三輪山から湧き出る水を引き入れた神饌田(しんせんでん)に、聖なる早苗を植えていきます。
広さ60坪の神饌田。
その四方には注連縄が張られます。
「デンデン」と、田長の打ち鳴らす太鼓の音を合図に、白装束に赤や青の襷をかけた菅笠姿の早乙女、田作男により御田植えが古式ゆかしく奉仕されます。
向こう側に立って太鼓を鳴らしておられるのが田長(たおさ)ですね。
太鼓の合図と共に、田作男と早乙女が腰を屈めて早苗を植えていきます。よく見ていると、4つずつ早苗を植えておられました。神饌田の四方に張り巡らされた注連縄にぶら下がる紙垂の数も各辺4つずつでした。鳥居に掛けられた紙垂の数も4つですね。
早苗。
お田植えの際、早苗がずれることがないように目印が付けられていました。
右側の方が、早苗のラインを決めています。
田圃の向こう岸の方と共同でラインを張り、早苗を植える位置を決めます。
三輪山麓の豊かな自然に抱かれた早苗。
このまま暑い夏を過ぎ、10月20日の抜穂祭(ぬきほさい)の日に刈り取られます。
収穫されたお米は、神社の年間の祭典において神様のお供えとして用いられます。
奈良の御田植祭といえば、天下の奇祭・飛鳥坐神社のおんだ祭りを思い浮かべますが、終始静かに進行する御田植祭もいいものですね。そう言えば、大神神社でも2月におんだ祭があります。
田作男が撒く籾種の御利益に授かり、一年の幸せを願う行事です。一連の祭事がつながり、稲作文化の栄えた日本を振り返ります。
早苗を植え終わった後、足元の泥を洗い流しておられました。
どうもお疲れ様でございます。
【大和国一之宮三輪明神大神神社】
- 住所:奈良県桜井市三輪1422
- 御祭神:大物主大神 (配祀)大己貴神 少彦名神
- 祭事:繞道祭 節分祭 若宮神幸祭 鎮花祭 三枝祭 おんぱら祭 観月祭
- お守り:みわ鈴 龍馬鈴 ランドセル守 なで守 夫婦岩えんむすび守