第二触覚が勇ましい!伊勢海老の刺身

磯部産の活け伊勢海老が入荷。

伊勢海老はやはり新鮮さが命です。捌く直前まで元気でピンピンしていました!

いよいよ包丁を入れる段になると、何かを察知したのか勢いよく後退りします。尾っぽを思いっきり跳ねて逃げる様は天敵の蛸と対峙した時のようです。

磯部産伊勢海老の刺身

大正楼中庭と伊勢海老の刺身。

活鯛にサーモン、イクラなどを盛り合わせます。いつものことですが、硬くて長い第二触覚だけは器からはみ出してしまいました。

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発音器を持つ伊勢海老

生きた伊勢海老を掴もうとすると、ギィ~ギィ~という威嚇音を発します。

素手で頭部を掴もうものなら、棘の付いた第二触覚を反らせて対抗してきます。濡れタオルを被せながら持ち上げた方がいいでしょう。手に傷を負ってはその後の作業へ移ることができません。

実はこの威嚇音、第二触覚の根元から発せられているようです。

磯部産伊勢海老の刺身

頭には美味しそうな味噌が詰まっています。

俳句の世界においては、伊勢海老は新年の季語です。

ご存知のように伊勢海老は、産卵期の夏を禁漁期としています。ただでさえ数が減っている伊勢海老ですから、産み落とされた伊勢海老がすくすくと育ってくれることを願います。

伊勢海老の子供をフィロソーマ幼生(Phyllosoma)と言います。

まるで葉っぱのようにゆらゆら揺れて、大人の伊勢海老とは似ても似つかない姿です。葉状幼生とも呼ばれ、海流に乗って外洋まで運ばれ約300日間を過ごすそうです。わずか一代で進化の過程をたどっているかのようですね。

大相撲桜井場所ポスター

相撲発祥の地『大相撲桜井場所』のポスター。

大神神社一の鳥居前に掲示されていました。

世代交代の時期に入った大相撲界ですが、未だに第一人者は横綱白鳳です。栃ノ心に続いて、高安も大関陥落が決まりましたね。来場所の成績が10勝以上なら、大関に復帰できます。貴景勝も辿った道・・・是非奮起を期待したいところです。

伊勢海老のお造り

硬い殻と鋭い棘に覆われた伊勢海老。

その棘にちなんで、英名を spiny lobster と言います。

伊勢海老を英語で spiny lobster
伊勢海老って英語で何て言うの? 正解は spiny lobster です。 spiny (スパイニー)とは、棘がある・棘に覆われたという意味の形容詞です。確かに伊勢海老の硬い殻は鋭い棘で守られています。まるで鎧武者のような屈強な出で立ちです...

大阪あべの辻調理師専門学校編の新潮文庫『料理材料の基礎知識』を開くと、フランス語では langouste (ラングスト)と出ていました。立派な髭と甲羅を持つイセエビを langouste と言うようです。

国内産の漁獲高は少なく、オーストラリア周辺からの輸入物も出回っています。国内では三重県と千葉県でよく獲れます。三重県の伊勢地方でよく獲れるから伊勢海老だとばかり思っていましたが、磯に棲む「イソエビ」に由来するとも言われています。

志摩海老、鎌倉蝦、具足海老などの呼び名もあります。

伊勢海老は十脚目に属し、夜行性の肉食です。甲冑にも似た硬い殻で覆われているため、大した天敵もいないのではと思いがちですが、意外と蛸を苦手としています。蛸に丸呑みされる動画を見たことがありますが、蛸は果たして消化できているのか心配になります(笑)

蛸に狙われる伊勢海老ですが、その蛸はウツボを苦手としています。そのため、伊勢海老はウツボと共生関係にあるようです。海のギャング・ウツボにしてみれば、伊勢海老と一緒に居ることによって蛸を誘い込むという構図が生まれます。かくして伊勢海老とウツボの双利共生が成立します。

タコを苦手とする伊勢海老ですが、寒さにも弱いことで知られます。冷蔵すれば死んでしまいます。伊勢海老を捌く直前に氷水に漬けることがありますが、あれは伊勢海老を大人しくさせるためですね。

大神神社奉納菊花展

大神神社の第66回奉納菊花展。

伊勢海老のほんのり甘い身は癖になります。

ちなみに火を通す際は、いきなり熱いところに入れると自切してしまいます。蟹などにも同じ習性が見られますよね。「具足煮」と言うぐらい、触覚や脚が抜け落ちずに完全に付いていてこその伊勢海老料理です。調理の際には注意が必要です。

あ~伊勢海老、やっぱり美味しい(^^♪

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