姿造りにするとどうなるんだろう?
と、以前から思っていた真鯒(まごち)。平べったい頭部が特徴ですが、普段は砂泥地に棲息しており見分けのつかない色合いです。「夏の河豚(ふぐ)」とも言われ、甘味の強い白身は絶品です。
マゴチの姿造り。
扁平な形状のため、器と平行に頭を置いた方がしっくりきますね。紅くるり大根の花を咲かせて盛り付けました。
細かいドット模様!夏に旬を迎える魚
マゴチの旬は夏です。
夏の白身の代表格ですが、一年を通して安定した入荷があります。今は早春前の時期に当たりますが、季節を問わずに水揚げされるようです。マゴチは肉食魚で、夏に向けてたくさんのエサを食べます。冬は活動量が落ち、味の方もやや落ちます。とは言え、マゴチ特有の旨味を感じる刺身を頂くことが出来ました。
真鯒(マゴチ)。
目をよく見てみると、ハート形をしていますね。
脳天の切れ込みはマゴチの急所に当たります。活け締めの際、ガツンといかれた傷跡でしょう。体表に散らばる無数のドット模様に、思わず引き込まれます。
ちなみに、手前の尾びれの魚は「縞(シマ)ゾイ」です。俗に言う「黄ソイ」ですね。
マゴチの鱗は非常に細かく、皮は厚めです。
平たい形状のため、三枚おろしにはしづらい魚です。俎板の位置を利用しながら上手に捌きます。骨抜きもなかなか一筋縄ではいきません。頭部に近い方に中骨は集中しますが、太くしっかりしている上に湾曲しています。
マゴチを真上から。
皮は引きやすく、マゴチ特有のアーチ状の刺身が引けます。
鰭(ひれ)にも細かい斑点模様が付いていますね。
マゴチのあらは旨い出汁が取れます。
以前に唐揚げの美味しいメゴチ(雌鯒)を頂きましたが、ちょうどマゴチの縮小版といったところでしょう。
マゴチと同じように、ホウボウという扁平な魚がいます。
ホウボウはブイヤベースの材料として知られます。一方のマゴチも、ブイヤベースにして美味しいそうです。捨てる箇所の無い魚であることを覚えておきましょう。