灰色をした鬼魚(ゴブリンフィッシュ)。
体長10cm前後のその小さな魚の名前をヒメオコゼと言います。英名は Grey goblinfish 。灰色を意味する grey(gray)に、鬼や化け物を意味する goblin。グロテスクな雰囲気を醸す名前は、ヒメオコゼの姿形に由来しています。
ヒメオコゼの唐揚。
こういう小さくてゴツゴツした魚は唐揚げにするのが一番です。揚げたてを頬張ると、その旨さに思わず頬がほころびます。
歯応え抜群のオバオコゼ
マクロビオティック料理でよく言う「一物全体」ではありませんが、頭も骨も丸ごと一尾を食べた時の満足感は何ものにも代え難いものがあります。
ヒメオコゼを指でつまんで記念撮影。
本当に小さくて可愛らしい魚です。ゴブリンフィッシュ(鬼魚)とは言うものの、そのサイズには少し拍子抜けの感があります。底引き網漁法で漁獲されるヒメオコゼですが、冬になるとその旨さに拍車が掛かります。
晩秋に咲いていた大正楼中庭のつわぶき。
本格的な寒い冬が来る前に咲くつわぶきを見ていると、いよいよこれから冬支度が始まるのだなぁと、いつになく感慨に耽ります。
ヒメオコゼ(姫虎魚)には鱗がありません。
厚めの皮に覆われており、オニオコゼに比べると小型です。
大阪府の泉佐野ではオバオコゼとも呼ばれています。
同じ日に入荷したのが、和歌山産のヨロリ。
鋭い歯が特徴の深海魚です。
つまみ食いは料理人の特権ですが、ついつい手が止まらなくなります。
熱い油の中から掬い上げたばかりのヒメオコゼの唐揚が、口の中でジューシーな脂を解き放ちます。凹凸のある体表も、唐揚にしてしまえばちょうどいい歯応えとなって返ってきます。
ヒメオコゼの口の中。
目立った歯は確認できませんね。目の部分の隆起が愛らしい(笑)
関東地方では見られない魚だけに、宿泊客にもお喜び頂けそうです。