耳成山の西麓に「耳無井」という井戸があります。
平安時代に空海が掘った井戸と伝えられ、別名を大師井戸とも言います。
耳無井戸。
井戸といえば、どこかパワースポットの匂いがしてきます。
清正井はあまりにも有名ですが、歴史ロマンあふれる大和三山の麓に湧く「耳無井」にも、ひとかたならぬスピリチュアルメッセージを感じます。
ペットボトル持参の大師井戸
奈良県内には空海が掘ったという井戸が幾つかあります。
ここ橿原市の「耳無井」の他にも、桜井市の「弘法の井戸」、大和高田市の「有井弘法井戸」、大淀町の「薬水の弘法大師井戸」等々が伝わります。井戸の数からも空海人気を偲ばせます。
奇麗な花の向こうに見えるのが耳成山。
耳成山の西麓から伸びる、登山口(木原坂)の入口に井戸はあります。
とても清潔な印象を受けました。
手入れの行き届いた井戸です。
しばらくすると、近所にお住まいの方でしょうか、ペットボトル持参で耳無井にやって来られました。おそらくこの辺りでは、霊泉として敬われているのではないでしょうか。
耳無井戸の説明書きがありました。
「大和志」には、”耳無井 耳無山西北 清冷甘美” と記されているようです。
井戸の横が登山口になっていて、耳成山口神社~頂上へと続きます。
耳成山の名前の由来ですが、なだらかな円錐形の山容で、人の顔に例えるなら耳が無いような形をしているから・・・というお話を伺ったことがあります。
「大和志」にも記されている通り、元来は”耳無山”だったようですね。
耳成山の麓には、口無しの井戸や目隠し川もあったと伝わります。目、口、耳といずれも人体に関係する名前が連なります。耳成山の七不思議といったところでしょうか(^.^)